コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

クライバーン国際ピアノコンクール:印象に残った演奏(1)予選

第15回クライバーン国際ピアノコンクールが終わってしまいました。今回ほど熱心にコンクールを観戦したことは、前回の浜松国際ピアノコンクール(浜松に3回聴きに行きました)以来のことなので、なんだか少々喪失感がありますが、コンテスタントのレベルもウェブキャスト(medici tvに感謝!)も結果も納得のいく素晴らしいコンクールでした。

 

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いい演奏ばかりだったのですが、中でも個人的に印象に残った演奏をいくつか挙げてみたいと思います。

今回は予選(Preliminary)から挙げてみたいとおもいます。

まずは第3位に入賞したDaniel Hsuの予選:

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3曲ともすばらしいです。ベートーヴェンは大好きな曲ですが、これまで29番や32番は弾いたものの、31番はなんとなく距離感があって手掛けられずにいました。しかしDanielの演奏を聴いてこれはやはりやらねば、と思いました。

今回のコンクールの委嘱作品であるMarc-Andre HamelinのToccataも秀逸です。Danielはこの作品の演奏でも全参加者中最優秀の演奏として受賞しています。

3曲目のリストのドンジョバンニはおそらくリストの全ソロ作品中の最難曲ですが、Danielは楽に弾き切っています。これはなかなかできないことです(かくいう自分も4年前に弾きましたが汗)。

 

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もう一人、予選で印象に残っているのはロシアのAbrosimovの演奏です。残念ながらQuarterfinalには進めませんでしたが、熱演だと思います。

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ラフマニノフコレルリの主題による変奏曲も前々から弾きたいと思っている曲です。ラフマニノフの作品では最も好きな作品かもしれません。

ペトルーシュカは国際コンクールでは必ずと言っていいほど取り上げられる人気曲ですが、迫力の演奏でした。ただし、リスクを取り過ぎたと審査員からは見られたかもしれません。

 

もう一つはカナダのトニーの演奏です。

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ベートーヴェンの30番のソナタも大好きな曲です。トニーのいいところはとにかく「ゾーン」に入ることです。これがQuarterfinal、Semifinalになるとさらにゾーンになってくるのです。審査員特別賞を受賞したのも納得です。

 

次回はQuarterfinalから取り上げたいと思います。

クライバーン国際ピアノコンクール最終日

3週間、4ラウンドにわたり30名のコンテスタントの熱演が繰り広げられてきた第15回クライバーン国際ピアノコンクールもいよいよ今日が最終日です。

6名のコンテスタントが競うファイナルラウンド、きょうは昨日に引き続きピアノ協奏曲が3名とレナード・スラトキン指揮フォートワース交響楽団の共演で演奏されています。

昨日の3名についてはこちらの記事に書きました:

 

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今日の演奏者、演目と時間割は以下のとおりです:

日本時間午前5:00(現地時間6/10午後3:00)

RACHEL CHEUNG(香港、25歳):ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番作品58ト長調(BEETHOVEN Piano Concerto No. 4 in G Major, op. 58)

日本時間午前5:45(現地時間6/10午後3:45)
GEORGY TCHAIDZE(ロシア、28歳):プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番作品26ハ長調(PROKOFIEV Piano Concerto No. 3 in C Major, op. 26)

日本時間午前6:45(現地時間6/10午後4:45)
DANIEL HSU(アメリカ、19歳):
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番作品23変ロ短調TCHAIKOVSKY Piano Concerto No. 1 in B-flat Minor, op. 23)

 

本日のトップバッターは香港の25歳、ファイナルに勝ち残った中で唯一の女性であるRachel Cheungが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏しています。

この曲はぼくは中学2年のときに知り熱中した曲で、今でもベートーヴェンのピアノ協奏曲では最も好きな曲です。3番や5番「皇帝」ほどの華やかさは無いものの、じっくり語りかけてくる優しさに溢れた傑作です。

1楽章、Rachelはピアノソロをやさしく語りかける口調のように始め、決して流されることなく堂々とオーケストラと対話しています。

2楽章、前楽章とはうってかわって猛るオケで奏でられる序奏の後、たっぷりと間をとって宥めるような口調のピアノ、見事です。

終楽章である3楽章、堂々としかし優しさを一貫して忘れず弾き切りました。ブラボー!

 

次はロシアの28歳、Georgy Tchaidzeです。プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番です。この曲は前回の浜松国際ピアノコンクールでガゼブ君が弾いて優勝したことが記憶に新しいです。前回第14回クライバーン優勝者のホロデンコもこの曲を弾きました。

1楽章、大きなミスはないのですが、ほんのわずかですがオケとずれるのが気になってしまいました。ずれるというほどではないかもしれませんが、ぴったりと合わない箇所がいくつかあるのです。オケのテンポとチャイゼが求めるテンポあるいは両者の考えるアゴーギクが合わないのでしょう。

2楽章はピアノの美しい音色が良かった。彼のタッチはこの曲に合っている気がします。

3楽章はオケとの一体感があります。が、1楽章同様「ぴったり」とは合わないのがどうしても気になってしまいます。

しかしそうは言ってもかなり高い水準での話。彼の危なげないメカニック、にじみ出る自信、コンサートピアニストとしての活動準備ができていると感じます。

 

この瞬間、ファイナルは現地に聴きに行っているアメリカの友人もいてそれはそれでうらやましいのですが、ウェブキャストではコンテスタントのインタビューが視れるのでよいことです。RachelとGeorgyのインタビューを視ていて、二人とも"sincerity"(誠実さ)を口にしているのが印象的でした。音楽に対して誠実であること、これが最も大切であると。自分にもいま言い聞かせています。

 

さて、いよいよこの第15回クライバーン国際ピアノコンクール最後の演奏、大トリを飾るのは個人的にも応援しているアメリカのDaniel Hsuチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を弾きます。クライバーン自身も好んで演奏した曲です。

オケの短い序奏に続き、堂々たるオクターブ和音がオケの勇壮な旋律を伴奏するセクション、見事です。Danielはその後も抒情たっぷりにピアノを十分に鳴らしています。色彩・表情の変化も明瞭です。余裕もあります。しかしらしくないミスタッチが少なからず出ており、これが審査にどう影響するかが若干気になります。2楽章、3楽章は尻上がりによかったですが。

ロシアの2人(ファボーリンとチャイゼ)や韓国のサンウ、アメリカのブロバーグと較べると、ダニエルは線が細い感じがしてしまいます。知的な演奏ではあると思うのですが、チャイコフスキーという選曲が彼の良さを引き出す選曲かというと疑問に思えてしまいます。

 

審査結果発表まで1時間以上あるので朝食をとってピアノの練習再開です。

日本時間で9:00にAward Ceremony(授賞式)が始まりましたが、コンクールの授賞式は開催者のスピーチや関係者への謝辞が30分は続きます。

 

さていよいよ受賞者の発表です。

審査員特別賞(Jury Discretionary Awards)は賞金4千ドル

  • 韓国のDasol Kim(セミファイナリスト)
  • イタリアのLeonard Pierdomenico(セミファイナリスト)
  • カナダのTony Yike Yang(セミファイナリスト)

いずれも納得です!

 

次に、委嘱曲の演奏に対する表彰(Beverly Taylor Smith Award for the Best Performance of a New Work)は賞金5千ドル

  • アメリカのDaniel Hsu(やたっ!)

 

次に、室内楽の演奏に対する表彰(Steven De Groote Memorial Award for the Best Performance of Chamber Music)は賞金6千ドル

  • アメリカのDaniel Hsu(やたっ!すごい!)

 

次に聴衆賞(Audience Award)は2,500ドル

  • 香港のRachel Cheung(納得!)

 

いよいよ上位入賞者の発表です。この結果はファイナルだけではなく、予選(Preliminary round)からのすべての演奏が審査対象となります。また各受賞者には3年間のコンサートマネジメント

 

第3位(Bronze Medal): アメリカのDaniel Hsu(これは大方の予想を裏切っていますがぼくはうれしい!)

第2位(Silver Medal): アメリカのKenneth Broberg(順当ですね、アメリカ人ファイナリスト2人とも入賞!)

そして

第1位(Gold Medal): 韓国のYekwon Sunwoo(予想あたった!!)

 

本当に素晴らしいコンクールでした!感動をありがとう!!

 

クライバーン ファイナル3日目

第15回クライバーン国際ピアノコンクール、4日間にわたるファイナルラウンド3日目はいよいよピアノ協奏曲です。

 1日目、2日目についてはそれぞれおととい、きのう書きました。

 

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3日目はファイナリスト6名の半分の3名がそれぞれ選択したピアノ協奏曲をスラトキン指揮フォートワース交響楽団と熱演を繰り広げました。

Yury Favorin (ロシア、30歳)

プロコフィエフ: ピアノ協奏曲第2番 作品16 ト短調(PROKOFIEV Piano Concerto No. 2 in G Minor, op. 16)

Kenneth Broberg (アメリカ、23歳)

ラフマニノフ: パガニーニの主題による狂詩曲 作品43 イ短調(RACHMANINOFF Rhapsody on a Theme of Paganini, op. 43)

Yekwon Sunwoo (韓国、38歳)

ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第3番 作品30 ニ短調(RACHMANINOFF Piano Concerto No. 3 in D Minor, op. 30) 

 

ファボーリンは、この曲はもともと特に1楽章はその10分近くの長大なピアノソロ(カデンツァ)があり見せ場ではあり、ピアノが前面に出る曲ではあるのですが、そればかりが目立つと協奏曲としての醍醐味が薄くなってしまいます。強靭なテクニックは既にソロでアピールできているので、オケとの対話が見たかったのですが少し影を潜めてしまいました。

 

ブロバーグはすっかり聴衆もオケも味方につけたようです。個人的には好きな曲ではないのですが、いい演奏だったと思います。

 

サンウは今日もスターでした。ソリッドな曲作りとメカニック、オケとの一体感、ダイナミックレンジの広さと表現力、申し分ありません。優勝候補筆頭です。 

 

明日はいよいよファイナル4日目、そしてクライバーン国際ピアノコンクール2017の最終日、授賞式も行なわれます。

 

明日の演奏者、演目と演奏時間です:

 

日本時間午前5:00(現地時間6/10午後3:00)

RACHEL CHEUNG(香港、25歳):ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番作品58ト長調(BEETHOVEN Piano Concerto No. 4 in G Major, op. 58)

 

日本時間午前5:45(現地時間6/10午後3:45)
GEORGY TCHAIDZE(ロシア、28歳):プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番作品26ハ長調(PROKOFIEV Piano Concerto No. 3 in C Major, op. 26)

 

日本時間午前6:45(現地時間6/10午後4:45)
DANIEL HSU(アメリカ、19歳):
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番作品23変ロ短調TCHAIKOVSKY Piano Concerto No. 1 in B-flat Minor, op. 23)

クライバーン ファイナル2日目

今日は(現地時間6月8日木曜夜)クライバーン国際ピアノコンクールファイナルラウンド2日目でした。ピアニストもさることながら、ブレンターノカルテットのすばらしいこと。特にチェロが光ります。

本日の演奏者と演奏曲目は下記のとおり:

 

Georgy Tchaidze (ロシア, 29歳)

ドヴォルザーク: ピアノ五重奏曲 作品81 イ長調

 

Rachel Cheung (香港, 25歳)

ブラームス: ピアノ五重奏曲 作品34 ヘ短調

 

 

Daniel Hsu (アメリカ, 19歳)

フランク: ピアノ五重奏曲 ヘ短調

 

チャイゼのドボルザークは決してピアノが出しゃばらず、カルテットの呼吸も合っており、とてもいい演奏でした。

チュンのブラームスは・・・うーん最初の5分聴いて飽きてしまいました。そつなく弾けばいいというものではないですね。しかもこのレベルのコンクールの舞台で期待が最高潮に達しているファイナルでは少なくとも。

シューのフランクは、19歳とは思えない(そもそもこのコンクールのファイナルに残っている時点で年齢はほとんど関係ないですが)成熟さを感じさせました。フランクを選んだのも決して背伸びではなく、彼のレパートリーの広さをアピールするためだとしてもそれは成功していたと思います。

 

6人のファイナリスト全員の室内楽を聴いて、ここまではやはり1日目のサンウがトップ、次にチャイゼとシューとファボーリンがつけている感じかとおもいます。

ファボーリンは個人的にはどうしてもセミファイナルのハンマークラヴィーアが良くなかったのが引っ掛かるのです。

 

さて明日ファイナル3日目は、最後の課題であるピアノ協奏曲(2つ目のピアノ協奏曲です)。

Yury Favorin (ロシア、30歳)

プロコフィエフ: ピアノ協奏曲第2番 作品16 ト短調

(PROKOFIEV Piano Concerto No. 2 in G Minor, op. 16)

Kenneth Broberg (アメリカ、23歳)

ラフマニノフ: パガニーニの主題による狂詩曲 作品43 イ短調

(RACHMANINOFF Rhapsody on a Theme of Paganini, op. 43)

Yekwon Sunwoo (韓国、38歳)

ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第3番 作品30 ニ短調

(RACHMANINOFF Piano Concerto No. 3 in D Minor, op. 30) 

 

曲目的にはファボーリンが弾くプロコフィエフの2番(これは1楽章だけは自分もオーケストラと共演したことがあります)が大好きな曲なので楽しみですが、演奏者としてはソロも五重奏もいままで非の打ちどころのないサンウのラフマニノフ3番がどれだけスケール大きな演奏になるのかもとても楽しみです。

クライバーン ファイナル1日目

今日は(現地時間6/7水曜夜)クライバーン国際ピアノコンクールファイナルラウンド1でした。演奏者と演奏曲目は下記のとおり:

 

Kenneth Broberg, United States(23歳)

ドヴォルザーク: ピアノ五重奏曲 作品81 イ長調

Yury Favorin, Russia(30歳)

フランク: ピアノ五重奏曲 ヘ短調

Yekwon Sunwoo, South Korea(28歳)

ドヴォルザーク: ピアノ五重奏曲 作品81 イ長調

 

個人的な評価ですが、今日の3人ではSunwoo(サンウ)が圧倒的でした。室内楽の評価ポイントである、一体になること、そして特に弦楽カルテットを立てるときは立て、前面に出すところは出し、自分が引き立つべきときは引き立つ、そして弦楽とピアノの対話が自然にできていること、これらがプロのピアニストとしてしっかりできると思わせてくれました。すばらしいドボルザークでした。

ファボーリンは自分の強みを活かす選曲であったとは思いますが、サンウほどの一体感、対話は感じられませんでした。

ブロバーグは大きなミスはなかったものの、明らかに何とかズレないようにの一心で、しかしやはりドボルザークのピアノパートは簡単ではないので(何を隠そうこのぼくもフォートワース響のメンバーと現地で6年前に弾いたことがあるので)、一生懸命感が拭えなかったですね。たとえソロリサイタル3つとコンチェルト2つがあるにしても、もとよりクライバーンは数ある国際ピアノコンクールの中でも要求が最も厳しい訳ですし、条件は全員同じ訳なので、言い訳にはならないです。

 

さて明日ファイナル3日目は残り3人、ロシアのチャイゼ、香港のチェン、そしてアメリカのシューのクインテットです。楽しみです。

 

ソコロフで聴くベートーヴェン初期ピアノソナタ

先日BS2で放映されたソコロフ(グレゴリー・ソコロフ)の弾くベートーヴェンの初期ピアノソナタを聴いています。

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ソコロフは現代最高のピアニストと言われています。そして彼はその呼び名に相応しい唯一のピアニストだと思うのです。

グリゴリー・ソコロフ - Wikipedia

彼は飛行機嫌いで知られ、残念ながらコンサートツアーはヨーロッパ限定です。

また、ソロに徹する主義で、協奏曲や室内楽はほとんど手掛けません(まったくやらないということではないです)。理由は、完全に自分でコントロールしたいからということです。徹底しています。そして彼の演奏はその言葉を裏付けています。

単にメカニカルに完璧であるということだけでは当然なく、その色彩感、躍動感、音楽の構成、どの側面をとってもすべてはその音楽のポテンシャルを最大限に発揮し、音楽そのものが持っている本質的な「魔法」を実現し聴衆を虜にします。

CDもたくさん出ていますし(ぼくは10枚以上は持っています)、YouTubeにも音源が多くあるので彼の素晴らしさの一端を垣間見ることはできますが、できればぜひ一度はわざわざヨーロッパに行ってでもライブで聴きたいピアニストです。

 

これは最新の(今年の)ローマでのリサイタルの様子です。

www.youtube.com

 

そのほかぜひ聴いていただきたい演奏は、スクリャービンソナタ第3番、ショパン前奏曲集作品28、ベートーヴェンのハンマークラヴィーアとソナタ9番、10番、17番、バッハのゴールドベルク変奏曲クープランのティクトクショク、バッハのパルティータ第6番、ショパンピアノソナタ2番・・・、枚挙に暇がありません。。。

 

ベートーヴェンの初期ピアノソナタは、自分も小学生から中学生にかけて特に2番や1番、4番、7番はよく弾いていました。

それだけにどこか郷愁を感じるところがありますが、それなしでも傑作揃いだと思います。

1楽章だけ弾かれることが多いですが、個人的には2楽章や4楽章が素晴らしいと思います。

特に作品2-2の2楽章は、古典派ピアノソナタの全ての楽章の中で最も好きな楽章の一つです。

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久しぶりにあらためて弾いてみよう。

クライバーン国際ピアノコンクール2017ファイナル時間割発表!

明日から始まる第15回クライバーン国際ピアノコンクール、決勝(ファイナル)の時間割が発表されました。

2017 Competition Results – The Cliburn

6名のファイナリストたちは、それぞれピアノ五重奏曲を1曲と、ピアノ協奏曲1曲を演奏します。

今回のファイナルでは、6名がすべて違うピアノ協奏曲を弾くことになりました。

演奏曲目は昨日の投稿のとおりですのでこちらをご覧ください。

 

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 いよいよ大詰めです!楽しみです!

これだけ楽しませてくれるのでおととい100ドルを寄付しました。

コンテスタントの何名かともFacebookで友達になりました。

みんながんばれ!

組織のポテンシャルを顕在化させるコンサルティング

自分がやっている仕事は経営コンサルティングあるいは戦略コンサルティングですが、このような呼び方をすると、どうも捉えがたいもの、何か胡散臭いもの、あるいは逆にかっこいいもの、という印象をもたれています。

自分が行なってきたコンサルティングはおそらく最も広義のコンサルティングになるでしょう。

プロジェクトの数でいうと、70を超えます。

10年後、いや20年後にありたい姿(いわゆるビジョン策定)は10社以上やっています。

組織/機能別では、営業、マーケティング、新製品開発、研究開発、生産/サプライチェーン、人事、財務、とひととおり見ています。

会社の国籍でいうと、日本企業が半数以上を占めますが、アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス企業もクライアントです。

会社の規模と数は、売上高で10億円前後の中小企業から、10兆円を超える会社まで50社を超えます。

日本企業のグローバル展開の支援も多く、対象とした国は中国、インド、アセアン諸国、北米、南米、欧州まで20か国を超えます。

また、支援の内容は、上記のビジョン策定から中期経営計画策定、機能別の支援、経営効率化(コスト削減など)、またM&Aや提携の支援(事業デュー・ディリジェンスやファイナンシャル・アドバイザリー)、ベンチャー企業への投資支援、新規事業推進、事業再生まで幅広くやっていますし、事業会社での実務ではコスト削減、新規事業、アライアンス、分社化、新会社設立、なども手掛けています。

 

これだけ多様な業務をやってきたコンサルタントは、自分で言うのもなんですがあまり他に例をみないとおもいます。

しかし、あまりに手広くやっていると「器用貧乏」「浅い」という印象をもたれてしまうので、しっかりと自分の軸、強みを磨くことも常に念頭においてやってきました。

自分の強みは大きく3つです:

  1. 組織のポテンシャルを顕在化させること
  2. 幅広くヘルスケア/ライフサイエンス業界を理解していること
  3. 仕事術

1.の組織のポテンシャルを顕在化させることは、多くの引き出しと、組織のトップとの対話力、そして組織の現場を巻き込むことのすべてが求められます。特に自分が得意なのは、組織のトップの悩みやもやもやを即座に理解しスッキリさせることであり、それがたとえグローバル大手企業のトップであっても、簡潔明瞭にメッセージを伝える能力です。これは事業会社でもコンサルでも場数を踏み培った能力でもあります。

2.ヘルスケア/ライフサイエンスはきわめて多様でしかもディープ・ニッチが多く、全体を理解することが難しい領域ですが、この領域の様々なセクターの企業、そして新たに参入する企業と直接仕事をしてきて、その複雑なダイナミクスとセクター間の関連性の独自の理解を培い、100週間連続で「週刊ヘルスケア」を執筆・刊行(社内ですが)することで最新の市場・業界・行政・技術動向を理解するだけでなく門外漢にも判る形で発信してきた実績があります(そのうち本にしようと思います)。

3.は自分が駆け出しのコンサルタントの頃、大手外資系戦略ファームで苦労して学んだことを原点にし、また戦略コンサルだけではなく、グローバルにエクセレント・カンパニーと言われる企業で幹部としてアメリカ人、インド人や中国人を相手に実戦経験を積んだことのエッセンスを、実際に人材研修でも活用しまた自分自身がかつての10倍のスピードで仕事をし生産性を高めるべく実践し進化させているものです。

1.については、実はこれは「コーポレート・コーチング」も含むのではないかと思いました。振り返ってみると、ビジョンを作成する際には常にクライアントに対して「ストレッチ・ゴール」を設定し、経営者を勇気づけ、背中を押してきました。時にそれは大企業の社長であり、中小企業の若き2代目社長であったりもしました。やはりトップにしかできないことをやること(方向づける、経営資源を配分する)、トップならではの悩みに応えることが自分が得意なことでありやりたいことである、とあらためて認識しています。

コーポレート・コーチングについては以前読書メモとして書きました。

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これから起こる変化は、これまでの大きな変化と同様、私たちがいまイメージできることを超えたものであることでしょう。個人としても組織としても「コンフォート・ゾーン」にとどまっていることは今は心地よくても最も大きなリスクとなることでしょう。

コンフォート・ゾーンを抜け出すにあたって必要なのは自分や組織が本当にやりたいことは何なのか、本質的な強みは何なのかをしっかり認識し、潜在能力であるポテンシャルを正しい方向に最大限に発揮させることです。

いままでどの企業でも大なり小なり閉塞感の充満をみてきました。もったいないことです。ポテンシャルが発揮できていないのです。

それら企業のポテンシャルを顕在化させ、組織も個人も元気になること、これこそが自分がやってきたことでありこれからもやっていきたいことなのです。

クライバーン国際ピアノコンクール2017ファイナリスト発表!

Kenneth Broberg (United States, 23)

DVOŘÁK Piano Quintet in A Major, op. 81

RACHMANINOFF Rhapsody on a Theme of Paganini, op. 43

 

Rachel Cheung (Hong Kong, 25)

BRAHMS Piano Quintet in F Minor, op. 34

BEETHOVEN Piano Concerto No. 4 in G Major, op. 58

 

Yury Favorin (Russia, 30)

FRANCK Piano Quintet in F Minor

PROKOFIEV Piano Concerto No. 2 in G Minor, op. 16

 

Daniel Hsu (United States, 19)

FRANCK Piano Quintet in F Minor

TCHAIKOVSKY Piano Concerto No. 1 in B-flat Minor, op. 23

 

Yekwon Sunwoo (South Korea, 28)

DVOŘÁK Piano Quintet in A Major, op. 81

RACHMANINOFF Piano Concerto No. 3 in D Minor, op. 30

 

Georgy Tchaidze (Russia, 29)

DVOŘÁK Piano Quintet in A Major, op. 81

PROKOFIEV Piano Concerto No. 3 in C Major, op. 26

いま弾きたい曲増殖中

今年はこれから受ける2つのコンクールと秋に予定しているリサイタルのため、取り組む曲を厳選し、説得力のある(決して「完成度が高い」とは言わないことにしました)演奏を、感動を与える演奏、自分が表現できる演奏を目指している訳なのですが、かなりハマってしまっているクライバーン国際ピアノコンクールを視聴していると、子どもの頃からの「人が弾いている曲を弾きたくなる」病が再発します。

まったく弾いたことがある曲、ちょっとだけ手を付けた曲、一度は本番で弾いたこともある曲も含めると、こんなリストになってしまいます:

 

いやいやこれ書いてるだけで楽しい。

マチュアなんだから弾きたい曲を弾いていいのです。

リサイタル終わったら全部手を着けよう!