コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ピアノをつぶやく

ここ数ヶ月の自分のピアノに関するつぶやきを集めてみました。

なかなかいいこと言っている。

あとは実践あるのみ。

 

ここ数日の練習はピアノにピアノを教えてもらっている。数小節弾くと「そうじゃないよ」と言ってくれる。「左手だけ弾いてごらん」「内声だけゆーっくり弾いて」「もっと軽く」「もっとやさしく」「そうそうそれ!」とか何十回も数小節を繰り返したりしている。このフィードバックプロセスなのかな練習

ピアノが最も得意なのは倍音の厚さだ。オクターブだけではない倍音。常に倍音を感じて弾くことだ。

如何に音の数が多かろうとテンポが速かろうと最も大切なのは汚い音は一つたりとも出さないことだ。ffは大きい音ではなくとても豊かな音なのだ。

ピアノは非情な迄に徹底的に厳しく容赦ないものだ。殆ど全てのピアノ弾きは中途半端なのだ。従って合否を決めるなどそもそも理不尽である。しかしピアノを弾く権利は万人にある。下手でもいいのだ。要は見果てぬ夢を追ってプロセスを楽しむことに尽きる。プロセスが結果なのである

ショパエチュだと意識過剰になるとショパエチュでなくなるのだ。これをショパエチュのパラドックスと呼ぶ

ピアノのレッスンはgarbage in garbage outだ。生徒がある程度弾けていないと教師もその程度の助言しかできない。指摘されないからと言ってできているということでは無い。生徒が弾ければ弾けるほど高度な指摘助言ができレッスンの質も高まる。

ピアノを弾くのは自己表現でも無ければ況して認められる為でも無い。自分を超越する為なのだ。昨日までの自分を超える。遥かに超えるのだ。誰の為でもない。自分の為でも無い。そう。そこには誰もいない。ただ音楽の世界だけがあるのだ。そこへ導かれていく

通常の市場原理はクラシック界には当て嵌まらない。新たなマーケティング戦略を要する。イノベーションが希求されている。たとえ卑俗でもボリュームゾーンに訴える実利的な効果を訴求する必要に迫られている。たとえば音楽療法に期待しているのだがエビデンスが弱いのが阻害要因だ

身もふたもない言い方をすればクラシックはペイしないのだ。一部の中流貴族の代替承認欲求に支えられたプロシューマー市場は小さい。アマチュアコンクール市場はスモールニッチに過ぎないし成長性は限定的。クラシックマニアの感度は高過ぎ排他的にならざるを得ない。

自分が考えるべきことはクラシックピアノが凋落しない方法を考えることだ。コンサートやコンクールという旧来の仕掛けでは凋落する。参加者を限定してはならない。遥かに楽に弾けるようになる手法を開発しオープンにするのはしかし既得権益の抵抗に合うだろう。そういう市場は縮小するしかない

音大出身云々ではなく音楽に対する正しいアプローチが身についているかが重要。音楽をする心身ができているか。無意識のレベルで。これは必然的に個人の短期の努力では出来ることではない

この世に神が存在することを信じる唯一の理由は音楽である。神は音楽を以て人間に弛まぬ進化を求めている。そして自分にとって音楽は目的であると同時に自己進化の手段でもある。如何に卑小な存在であるかを常に思い知らせ人を謙虚たらしめるものそれが音楽である

ショパエチュを練習すると必ず聴こえるショパンの意地悪なつぶやき「ふっ。そんなんで弾けたつもりなんかい?」:(´◦ω◦`):

本番直前の練習では完成度を追求することより客観的に点検しかつ無理が生じていないか確認することが大切だ。安心する為だけの練習にならないように留意する

つまるところ聴き手にとって演奏は好きか好きでないかの2通りの評価しかないのだ。音楽の理解とか音色の美しさとか技巧とか要素分解していいところがいくつかあっても好きになれないものは仕方がない。国際コンクールだろうが仲間内の弾き合い会だろうが同じこと。まずは自分の演奏を心がけたい

ショパンはバスラインが歌えていないといくらソプラノが美しくても貧弱で浅薄な演奏になってしまう。逆にバスがしっかりしていると響が豊かになる。無造作な左手は右手の足を引っ張る

平均律2-16フーガの2,000余の音の一つとして曖昧awkwardであってはならない。音と音との関係性は直近の縦横のみならず遠隔もありバランスが求められる。しかも固定的ではない。全てはバッハの音楽の滾る情熱を最大限表現する為に

今朝はまるで自分の意思ではなく何か大いなるものの意思によって弾かされている気がした。ああこれが音楽をするという感覚なのかと思い出した気がした

音からピアニストへ「音を出してほったらかしにしないでよ。ぼくらはまだ生きてるんだから」

ラヴァルスを4か月ぶりに弾いてみたら忘れているどころか前より弾けるのは他の曲で阻害要因が克服できたということかもしれない。バッハとショパンメシアンのおかげ

音が少ない曲を弾かせればある一定水準以上のピアニストの実力が判然とする。ただ音高音価が合っていれば音楽になるのではない。情報量がそれでは少な過ぎるのだ。

新しい曲に手を出す状況ではないが仮に出すとしたらベートーヴェンソナタ30番31番しか考えられない。その曲を10年かけて取り組む気があるか、それが基準だ。

自己承認はマズローの4段目。それを超えたところに達人への道の扉がある。認められたいだけでは音楽はできない

音楽とは魔法である。タネやトリックが見破られるような音楽は音楽ではない。下手な手品未満だ

音の多い曲は一つとして曖昧な音はなく、音の少ない曲は一音一音の情報量を極限まで追求する。どちらも甲乙つけ難く難しい

デジピはグランドの劣悪な代替という人は最先端のデジピのポテンシャルを知らない。たとえばトリプルディレイでディレイタイム最長にすると響のイメージが豊かになり音を大切に丁寧に出す効果がある。ハープシコードにして平均律の理解も深まる。使いようなのだ。全てはいい音楽を創り上げるために。

プロはミスからのリカバリー能力に長けている。しかしそれは音楽の流れを壊さないことが先決であって精神力やごまかしではない

ピアニストの実力を知るにはハンマークラヴィーア全楽章が最適だ。次はスクリャービンの3番ソナタブラームスヘンデルバリエーション

ピアノが上達するとはピアノに対してどんどん優しくなることである。初心者ほどピアノに厳しい

かなり取り組んできて上達が止まったと感じた時こそ高いステージに上る準備ができた時なのだ。そこでやめてはだめだ

音を出してから音楽ができるのではない。音楽は音が出る前から始まっているのだ

「これでいいかな」と思っているうちは本物の演奏ではない。「こうだ!」と思えないといけない

世界的と言われるコンクールを数々制覇し華々しい演奏歴を持つ演奏家の演奏を聴いてつまらなかったら「ふうん」と言っていいんだよ。それを皆すればクラシック音楽界は凋落を免れるでしょう

ピアノに向かう練習なくとも上達できる。いい音楽(ピアノに限らず)能動的に聴けばいい

fとpの違いは音量ではない空間の拡がりだ。たとえばfffは全宇宙、ppだったら湖畔といった具合に

音楽は止まらない。休符は休みではない。絶えず変化する流れ。本番で途中で止まるとかあり得ない

打鍵ではなくタッチ。ffでも打ってはいけない。様々なタッチがある。上から下とは限らない。斜めもあり引くこともある。タッチを決めるのは響き

ピアノの上達は単調非減少非線形無限回微分可能関数に従う

『ぼくが生まれ変わってもし曲になるとしたらこの曲であろうというほどの存在』伊藤悠貴 #これ以上の音楽の名言はまず無いだろう

いくら楽に弾けるようになってもオートパイロットになってはいけない。時間芸術としての演奏は絶えざるフィードバックループである #ピアノの極意的な何か

練習とは意識下の自分を育成することだから植物を育てるように急には育たないが正しくやれば確実に育つ。そして変化は急に現れることもある

練習とはできないことを当り前のようにできるようにしていくこと。そうして次々に高いレベルのことができるようになっていく。毎日どんどん高みに登っていくのだ


演奏はイマジネーションと身体的運動のインテグレーションだ。インテグレートされた感覚を掴めば本番で事故など起きない確信が持てる

めったにほめない師匠が「よくなった」と言っても額面通り受け取ってはならない。前がよほどひどかったか、たまたま最近「ほめないと伸びない」とどっかで読んだからかもしれないからだ

演奏は確率論ではないから練習は成功確率を上げる為にするものではない

如何なる難曲であろうと弾ける確信がありさえすれば弾ける

 

読書メモ:やさしさという技術

 

仕事でもプライベートでもいろいろ壁にぶちあたっているので、自分に足りないものは何なのかと数週間考え続け、今朝突然ひらめきました。それは

やさしさ

ではないかと。

 

一人であれこれ考えるより、先達の考えを聞いたり読んだりした方がよいので、Google先生に「やさしさ」と聞いたところ、この本に出会いました。

「やさしさ」という技術

「やさしさ」という技術

 

 

この本の「はじめに」にはこうあります(Amazonページより引用):

「お金持ちになる方法や、頭がよくなる方法、創造力や仕事のスキルを高める方法について書かれた本はすでにたくさんある。だが、やさしさの技術を磨き、よいことをして成功する方法について書かれているのは、本書以外にはないと思う。
一般的な通念では、やさしさとは「生まれもった資質・性格」であって、個人の意思でコントロールできるものではない。だが本書を読んでもらえればわかるとおり、これは正しくない。一部は親から受け継ぐものだが、やさしさというのは、誰でも意識的に身につけることができ、しかも一生磨き続けることができる「技術」なのだ。そしてこの技術こそが、人生で成功を収めるために、そしてこの世界をより住みやすい場所に変えるために、もっとも重要な要素なのである。
さらに私が伝えたいのは、私たちは自己犠牲的な博愛主義者になる必要はなく、利己的な動機から他人によい行いをしてもまったく問題はないということだ。やさしさは、まちがいなくあなたの得になる。こう聞いて憤慨なさる方もいらっしゃるかもしれないが、本書を読み終えるころには、みなさんにも納得してもらえると私は信じている」

 

 ずばり知りたいことが書いてある気がします。

 

読んでみました。

 

「はじめに」に書かれていることはそのとおりでした。

やさしさとは単に相手の機嫌をとることでもなければ自己犠牲でもないのです。

やさしさは必要なものであり、誰にでも備わった能力であり、自分のために実践するものなのです。

 

読書メモ:負けを活かす技術(為末大)

最も尊敬しまた注目する日本人のひとりが為末大さんです。

為末さんは、陸上男子400mハードルの日本記録保持者で、世界選手権で2度銅メダルを獲得、オリンピックにも3回出場されている世界的なアスリートです。

為末大 - Wikipedia

男子400mハードルの日本記録47秒89は為末さんが16年前、法政大学在学時代の2001年8月10日に樹立したものですが、未だに破られていませんし、破られる気配もない大記録です。

トップアスリートというと才能に恵まれ運に恵まれ環境に恵まれというイメージをつい抱きがちですが、決してそんなことはないことが為末さんの近著を読むとわかります。

www.amazon.co.jp

著者の為末さん自身が重要なセンテンスは太字にされていますが、その中でも特にメモしておきたい、そして座右の銘にしたい記述は:

  • 「必ず人が感謝するとか、それがいつかどこかで返ってくるということを信じ過ぎてはいけない」
  • 「努力はまったく等価交換ではない」
  • 「払っている努力自体に、すでに報酬が潜んでいるのが、スポーツだと僕は思っている。少なくとも、明確な目標に向かって、日々をいききと生きるという報酬がすでにある」
  • 「自分の欲求に嘘をつき過ぎてはいけない。でも、それに自分自身を染め過ぎても危ない」
  • 「孤独になったとしても、実は思ったほどの寂しさはない、ということも知っておくだと思う。むしろ、僕は気持ちがラクになった。孤独になったことで、清々しい気持ちになれた」
  • 「僕に一番力が出たときは、のびのび楽しくやったというより、ぐっと圧力がかかっていて、最後の最後で開き直れたときだった」
  • 「そもそも、勝負の瞬間には、実はプレッシャーはないのである」
  • 「シリアスになり過ぎない、かっこつけ過ぎない、いい人でい過ぎないことが大切」
  • 「人からの批判は跳ね返しやすいが、期待は跳ね返しにくいものだ」
  • 「いい集中の状態というのは、元来、エゴイスティックなものである」
  • 「スランプにはまらないということは、変化していないということである」
  • 「未来や過去を意識せずに、今できることをやろう、と考える。余計なことや概念を捨てるようにする」
  • 「自意識というのは、自分を客観的に眺めていることだが、その自意識が極めて薄くなって、ただひたすら行為に集中している」
  • 「どこまで行っても、人生は賭けである」
  • 「スランプに入ったときは、よくしようとはするが、必ずよくしなければいけないとは思わないようにする」
  • 「勝ったところで、実は何も解決しないからである」

 

これまでわだかまっていたことが、これらのことばで急に氷解したのみならず、なんだか意欲を喪失し、疲労感や閉塞感に苛まれてきた自分が急に楽になり、目の前が開けたような気分にいまなっています。 

動的ネットワークバイオマーカー ~将来あるべきヘルスケアを支える技術~

まことに手前味噌ながら500投稿目です。今回は将来有るべきヘルスケアを支える技術として長期的に大いに期待すべき技術について書きたいと思います。

一昨年、数理シミュレーションシステムに強みを有する㈱構造計画研究所のご招待で、同社主催のセミナー「KKE Vision 2015」に参加しました。

その際、数理モデルの第一人者の一人である東大の合原一幸教授の基調講演を聞き、いくつか刮目すべきアイデアが披露され興味を抱きました。

そのうち、地震予知から感染症対策まで様々な分野における最先端の数理モデル応用による効果のうち、動的ネットワークバイオマーカーに大きな期待を感じたので、今回はこれをイノベーション(予備軍)として取り上げたいとおもいます。

 

動的ネットワークバイオマーカー(Dynamic Network Biomarker, DNB)とは、中国古代の医療の基本思想である「未病」の概念を、最先端の科学で実現しようという試みです。

現在の診断では、明らかに一つあるいは少数の指標が異常値を示した場合、それを以て疾病と診断します。

しかし、これは既に「未病」の状態から完全に「病」の状態へ移行してしまった状態であり、既に治療可能な状態を超えている場合もあります。

また、従前より唱えられている予防医学は、未病から病に移行する遥か以前の段階に維持しようというもので、これも効率的とはとても言えません。

DNBは、より望ましい身体の状況に関する様々な多数の指標のビッグ・データを、その変動特性の観点から数学的に分析することで、未病状態の診断そして病気の状態への発病の引き金を引く因子群をみつけることが出来るというものです。

一般には、複数のバイオマーカーから成るネットワークとしてのゆらぎが、発病の引き金を引きます。つまり、発病するということは特定の指標だけが変化して後はすべて不変、ということではなく、互いに相関する、或いは相反する多数の有意義な指標全体の変化とそれらの関係から、どう未病から病への閾値を超えたかを、合理的・定量的に判断するものです。

これは数理工学の進歩とビッグ・データを収集・解析する一連の技術の実用化によって初めて可能になったことで、長期的には根本から医療を変える可能性を秘めています。

この理論は複雑なシステムの挙動、すなわちたとえば経済予測や地震予知にも応用されつつあります。

かつては大量のデータを扱うことは原理的には可能でも実際には処理時間とコストの面で非現実的であり、バイオマーカーも特異性が低くかつ種類も乏しいなど、動的ネットワークバイオマーカーがとても実践できる状況ではなかったものが、技術的にも経済的にもmake senseする可能性が見えてきています。そして、財政面からもまた個人・社会の意識の向上といった側面からもその必要性が認められ得る状況になってきているとおもいます。

ねこさん勝手にランキング #ねこあつね(5)きまえのよいねこさんたち

ねこあつめのアップデートがもう既に6か月超もないという異常事態なので、ねこあつめの熱心のファンの方々は様々な楽しみ方を工夫しています。

1か月前から、「どのねこさんがもっとも気前がよいか?」を検証すべく、あそびに来ておいて行ってくれるにぼしの数を記録しました。

ねこさんによって来てくれる頻度が違うので(前回投稿ご参照)・・・ 

jimkbys471.hatenablog.com

・・・最近10回の来訪の記録をとりました。

 

気前のよさは、1回往訪あたりの「銀にぼし」の数で測っています。なお、金にぼしと銀にぼしがありますが、銀にぼし500個で金にぼし10個に交換できるので、金にぼしを置いて行ってくれた場合には、金にぼし1個=銀にぼし50個で換算しています。

 

では気前のよいねこさんトップ10の発表です。

きまえよさベスト10

1位

あかさびさん

77.4

2位

えきちょうさん

76.2

3位

はいしろさん

73.0

4位

くりーむとらさん

58.1

5位

きっどさん

58.0

6位

こいこいさん

51.1

7位

さふぁいあさん

50.0

8位

ぷりんすさん

48.5

9位

ながぐつさん

45.6

10位

なべねこさん

43.7

 

あかさびさんはなかなか来てくれません。さびがらさんと似ているのですがさびの面積がさびがらさんより多いのが特徴です。あまり来てくれませんが来てくれたときには金にぼしをくれることが多いのです。

 

そして、この記録と前回の、あそびに来てくれた回数とを組み合わせ、通算で最も多くにぼしを置いていってくれたねこさんを集計してみました!これは世界初の統計かもしれません!!!

 

にぼしくれたかずベスト10

1位

はいしろさん

439,168

2位

とびみけさん

169,615

3位

さびがらさん

141,158

4位

とーびーさん

133,102

5位

ちゃとらさん

125,546

6位

きじとらさん

121,458

7位

くろとらさん

97,926

8位

はいいろさん

94,268

9位

しろさばさん

92,043

10位

しろねこさん

89,678

 

やっぱよくきてくれるはいしろさんがトップなのですねー!

さびがらさんも3位に入っています!

 

1位のはいしろさん:

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2位はとびみけさん:

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3位はさびがらさん:

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みんないつもありがとう!!!

ねこさん勝手にランキング(4)よくきてくれるねこさんたち #ねこあつめ

 ひさびさのねこさん勝手にランキング、第4回です。

ちなみにこれまでのランキング3回はこちら:

jimkbys471.hatenablog.com 

jimkbys471.hatenablog.com 

jimkbys471.hatenablog.com

 

今回は、過去約2年間でもっとも多くの回数あそびにきてくれたねこさんトップ10です!

きた回数ベスト10
1位 はいしろさん 6,016
2位 くつしたさん 5,748
3位 とびみけさん 5,419
4位 しろねこさん 5,338
5位 はいいろさん 4,761
6位 くろねこさん 4,607
7位 ちゃとらさん 4,452
8位 きじとらさん 4,449
9位 さびがらさん 4,425
10位 しろちゃとらさん 4,182

 

1位のはいしろさん:

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2位のくつしたさん:

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3位のとびみけさん:

f:id:jimkbys471:20170627042843p:image

 

みんないつもありがとう!!

ヘルスケア業界を読み解くキーワード(2)先端技術編②

前回は、毎週社内メルマガで書いているヘルスケアコラムのキーワードのうち、先端的な技術のキーワードを6つ選び解説しました。 

jimkbys471.hatenablog.com

 

前回に続き、今回も先端技術編②としまして、6つのキーワードをご紹介します(6に特に意味はありません・・・)。

 

マイクロバイオーム

  • 数年前からTVCMなどで取り上げられるようになった腸内細菌が健康の鍵を握るものとして着目されています。ヤクルトは昨年「腸トレ」というコピーを使うようになりました。
  • マイクロバイオームとは、人体内に棲息する細菌群のことで、近年研究領域として特に脚光を浴びています。腸内細菌叢あるいは腸内フローラというのはマイクロバイオームの真部分集合で、人体の最近の多くが腸内に棲息していることから特に着目されているものです。腸以外では口腔内や皮膚にも細菌叢は存在します。
  • 腸内には約3万種類、1,000兆個、総重量にして2kgにもなる細菌が、表面積30㎡(従来言われていた250㎡=テニスコート1面分というのは誤りのようです)に棲息しているとされ、それがまるでお花畑のように見えることから「フローラ」と呼ぶのだそうですが、この腸内フローラは免疫システムや老化防止に大きく貢献していることがわかってきたために一躍注目されるようになった訳ですね。腸内細菌の働きはこれだけでなく、いくつかのビタミン類を合成し、またセロトニンドーパミンの前駆体を合成してくれるということなので、栄養面や精神的な効能も司っていることになります。
  • マイクロバイオームは単に細菌が群集しているのではなく、動的に人体と相互作用しまた変化する高度なシステムと見做すのが現代の見方なのですが、実はその動態については殆ど解明できてないのが現状です。
  • 昨年5月末に、世界最大の腸内細菌研究のひとつ、フランドル腸内細菌叢プロジェクトの初の研究成果として、ベルギー・フランドル生物工学研究所から、千人以上の便検体を分析した結果、腸内細菌叢の構成に影響を与える69の因子が同定された、という報告がなされました。この結果は、将来の疾患研究や臨床研究に重要な情報を供給するものだそうです。2012年に始まったこのプロジェクトは、最終的に5千人のフランドル人の腸内細菌叢を解析し、細菌と健康・食事・生活習慣の関係を明らかにしようとするもので、所謂ビッグデータアナリティクスですが、それでもマイクロバイオームに関するエビデンスの一つが構築されるに過ぎず、この先に新たな診断や治療の研究が必要な訳ですが、従来の診断・治療や健康管理を大きく変える可能性を秘めている領域と言えるでしょう。

 

ペプチド医薬

  • 次世代の医薬品として、核酸医薬と並び注目され、国内外で医薬品メーカーやベンチャーが取り組んでいるのがペプチド医薬です。
  • 従来の医薬品は化学合成で作る錠剤など低分子(分子量500以下)、一方で現在グローバルで売上上位を占める抗体医薬品など生物学的製剤は高分子(分子量100,000のオーダー)と分類されますが、その中間(分子量数千~1万程度、明確な定義はない)のものに核酸医薬やペプチド医薬が位置します。
  • ペプチドはたんぱく質の一種でアミノ酸がつながってできたもので、特定の標的と中分子であることの最大のメリットは、化学合成で生産できるため、製法への依存度が高くまた(現時点では)安定的な大量生産が難しい抗体医薬とは対照的に安定的に大量生産ができ、品質を担保しつつ低コストで生産できることです。
  • ペプチド医薬品自体は実は既に臨床で使用されており、中でもシクロスポリン(商品名ネオーラル)はWHOの必須医薬品リスト(38号で取り上げました)にも掲載されている重要な医薬品ですが、近年上記のとおり各社が取り組んでいるのは、機能性ペプチドと呼ばれ、特定の機能を人工的に付与することができる種類のペプチド医薬です。
  • 日本のバイオベンチャーであるペプチドリームはノバルティスやサノフィ等と既に提携している有望な企業ですが、API(原薬)メーカーの浜理薬品工業も昨年ペプチド医薬事業拡大を発表、また積水化学も既に5年前にペプチド医薬品製造受託事業拡大のためJITSUBO社との提携を発表しています。しかしこの分野は既に欧米に大小多くの競合が鎬を削っている世界となっているため、ペプチドリーム始め国内プレイヤーの事業展開を応援したいところです。

 

Cox比例ハザードモデル

  • また難解なキーワードと思われたかもしれませんが、この統計用語は1980年代前半から既に回帰分析に使われ始め、工学、医学の幅広い分野でますます活躍している数理モデルの一つです。以前このコラムで医療統計をとりあげましたが、医療統計には欠かせないモデルです。
  • ロジスティック回帰(ロジスティックスではありません)は広く知られていますが、統計的に検証したい対象によって当然ながらモデルは使い分けるものであり、医学においてはCox比例ハザードモデルはたとえば様々な要因でハザードつまりある危険事象(疾病、死亡など)がどう説明され、それが治療(例えば薬物の投与)によってどう変化するか、その変化は統計的に有意であるかを検証することに最も適しておりかつ母集団の限界など現実的な制約の中で最も使いやすいモデルとされています。
  • 幅広く使われているモデルなので、ウェブ上で検索すると大学の講義資料など簡単に見つかりますが、一件多変数の指数関数や対数関数が出てくるのでとっつきにくいものの、既にExcelのアドオンなども出ており実用にはまったく問題ないレベルに整備されています。
  • 筆者の友人には医師が多いのですが、彼らと話していると普通に統計用語が出てきます。医学部の講義では医療統計学というのがあり、正規分布、指数分布、ポアソン分布、といった基本的なパラメトリックモデルはもちろん、ワイブル分布といった極値分布、さらにロジスティック回帰やこのCox比例ハザードモデル、また一般化ウィルコクソンモデル、また各種検定など、単にそういう名称があるということのみならず、それがどういうモデルでどういう場合に使うべきものかを医学部では学びます。
  • また、製薬会社にも開発部門に生物統計を専門とする部隊がおり、当然ながら彼らはこういった医療統計に知悉しています。我々コンサルタントがこのようなモデルを使うことは実務上これまではあまりありませんでしたが(戦略ファームでもそうですね)、これまでは取得できなかった情報が容易に低コストで収集できるようになり、より多くの局面で定量化およびそれに基づく意思決定が必要になってくる中、また我々のクライアント側がこういった数理ツール・モデルを駆使するようになっていきアナリティクスの能力を高めていく中、コンサルタントとしても知らないでは済まされない領域になってきているかと思い今回その代表例として取り上げました。

 

オートファジー

  • 昨年のノーベル医学・生理学賞を受賞された大隅東工大栄誉教授の業績で一躍知られることになった「オートファジー」についてはここのところ新聞やTVでさんざん取り扱われているので、ベタな解説は不要かと思いますが、タイムリーな話題なので筆者なりにそれが何なのか、なぜ有意義なのかについて述べてみたいと思います。

  • Autophagy=self-eatingなので日本語では「(細胞の)自食(作用)」と訳されていますが、学会・業界では専らオートファジーと呼ばれています。広義には細胞死の一つの類型であり、細胞死にはより古くから知られる、アポトーシスとかネクローシスがあります。

  • なぜオートファジーがいま注目されているかというと、単純にノーベル賞を受賞したからに他なりません。既にあちこちで書かれているとおり、1970年代に現象としてのオートファジーは電子顕微鏡下で観察されていましたが、長らくそのメカニズムが究明されなかったのです。

  • 日本企業のコスモバイオや医学生物学研究所が「オートファジー銘柄」として株価が高騰したのは、たとえばコスモバイオはオートファジー(アポトーシスもですが)を検出する検査キットを既に販売したいたからであり、医学生物学研究所もオートファジーのモニタリングに有効な抗体を製造・販売しています。

  • ハンチントン病アルツハイマー、パーキンソンといった難治疾患はある種のたんぱく質の(過剰な)蓄積・凝集によることが知られているので、もしオートファジーのメカニズムを究明し、かつそれを人為的にコントロールすることができれば、これら疾病の治療に画期的な手法が誕生することになるので、それは低分子であれ高分子であれ医薬品業界にとって新たなブレイクスルーの可能性を直接示唆します。実際、既に低分子化合物でもオートファジーを誘発する効果を有するものが発見されています。

  • なお、オートファジーは体内のアミノ酸プールを維持すべく飢餓状態で発動するので、たとえば絶食によって自己免疫疾患やがんが治るとまではいかなくとも軽快する、という勝手な筆者の仮説はこのオートファジーのメカニズムがより詳しく解明されればエビデンスが構築できると思いますし、薬に頼らない健康回復・維持のアプローチが有効であることがはじめて証明されるかもしれないと期待しています。

 

間葉系幹細胞

  • 再生医療というとiPS細胞やそれ以前に注目されたES細胞(解明は30年超も前のことですが)が著書も多く出ており有名で人口に膾炙していますが、再生医療の中でも最も今投資が行われている細胞治療(cell therapy)の臨床開発後期段階にあるものは、そのいずれでもなく間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell, MSC)です。
  • 先日FMIコンタクトのある財閥系企業(当該分野での買収に意欲的)と話をした際、先方からMSCに興味があるとの発言があり、折しも再生医療のプロジェクトが始まっていたのでちょうど詳しくなったところで、よい議論ができてよかったのですが、それはともかく間葉系幹細胞というのはiPS細胞やES細胞といった多能性幹細胞とは異なり、より分化が進んだ幹細胞(その名の通り細胞分化を樹状図に描いたとすると枝葉(最終段階まで分化が進んだ)に相当する細胞の手前の幹の部分に相当する細胞の事です。
  • 再生医療というとテルモの心筋シートやJCRのテムセルは既に承認・上市されていますし、また従前からある臓器移植(肝臓、腎臓、心臓等)は広義の再生医療ですが、再生医療の最先端でありかつ最も有望と目されているのはこの間葉系幹細胞を用いた細胞治療であり、この成否で再生医療が本格的に市場としてまた産業として立ち上がることを理解されるとよいと思い取り上げました。

 

エピジェネティクス

  • エピジェネティクス(epigenetics)とは、Wikipediaの定義によると(必ずしも厳密な定義ではないという断り書きがありますが)、「DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域」ということです。
  • 平たく言うと、DNAに直接関連しない遺伝情報に関する研究領域であり、広義にはその健康・医療への応用・展開のことです。
  • 上記の定義はやたらとアカデミックな定義ですが、要するに冒頭の「DNA塩基配列の変化を伴わない」というところが重要です。
  • 過度な一般化は避けたいところですが、一般的には(医学や生物学を専門とする方以外にとっては)遺伝と言えばDNAに書き込まれていると思われていることと思います。かつてはそういう認識が学界においても支配的でした。しかし近年の研究(とはいっても原理的には1940年に発見されたということですが・・・)で、ヒトを含む個体の形成・変化が必ずしもすべて先天的な要因で定められるものではない、ということが認識されるようになってきたということです。ちなみにepiという接頭辞はラテン語で「超えた」を意味します。
  • 医学においてはがんの診断・治療が引き続きホットな領域ですが、エピジェネティクスの進展は次世代のがん治療にとって極めて重要な役割を果たすことが期待されています。

日本の製薬産業の取るべき道は3つ(その4)

前回(その3)では戦略方向性の2つ目、「コスト・リーダー・プレイ」について書きました。今回は3つ目、名付けて「中分子レイヤーマスター」です。

台頭する可能性のある中分子医薬であるペプチドや次世代抗体医薬、核酸医薬の疾病領域や基盤技術を含めた国として注力すべき分野の特定と企業間連携を促進する仕組・制度の構築、です。

ペプチド医薬は抗体医薬等の高分子よりも分子量が少ないので中分子と言われるものの代表格となっていますが、これに関しては日本の(数少ないうまくいっている)バイオベンチャーであるペプチドリームが先頭を切り、また塩野義製薬積水化学・ペプチドリーム等が連携してペプチド医薬品製造受託を指向すると報じられました。

また、もう一つの中分子医薬のカテゴリーである核酸医薬については、「グローバル・ニッチ・トップ」を掲げる日東電工がAvecia社とGirindus社を買収して事業プラットフォームを構築、味の素も数年間検討の後に(これには筆者もコンサルとして関わっていました)Althea社を買収するなど、機運は高まっています。

民間でのこのような取組もあるのですが、国として産業育成することも必須です(決して足を引っ張らないように)。

民間のこのような仕組を後押しする役割も(単なるコンソーシアムで終わらぬよう)国が果たすべきです。

再生医療においては逸早く(欧米に先駆け)法整備をしたものの、米国も負けてはいません。

未だ日本で再生医療の治験はほとんど行なわれておらず、このままでは再生医療でも「敗戦」の憂き目を見てしまいます。そうならないことを期待したいのですが、その対象はまさに中分子医薬です。

決して中分子医薬のバリューチェーンをすべて持つインテグレーターになる必要はなく、中分子の医薬品への応用と生産において確固たる強みを構築して他を圧倒的に引き離すレイヤーマスターになる戦略は、日本企業の文化の面でもフィットしていると思います。

ぜひ日本プレイヤーに勝っていただきたい。そしてその為に自分ができることをやっていきたいと思います。

日本の製薬産業の取るべき道は3つ(その3)

前回は3つの戦略方向性の1つ目「カテゴリー・フォーカス・プレイ」について書きましたので、今回は2つ目について書きます。

 

2つ目とは、「コスト・リーダー・プレイ」です。

日本の技術力を活かしたコモディティ医薬品の抜本的な生産システム革新(連続生産の導入など)とこれによる圧倒的な低価格の実現、これによりまずは国策として医薬品作業高度化に注力している中国企業への技術供与・出資、次にASEAN諸国、さらにはアフリカ等への展開を狙うべき、というものです。

この戦い方が可能であるという根拠について、筆者はこのように考えています。

根拠はおおきく2つあります。一つ目は製薬会社は従前より極めて利益率が高く(製品原価率が30%といった水準)原価意識が低いこと、二つ目は生産システムがバッチ生産であり連続生産導入による少量多品種でも大幅な原価低減のポテンシャルがあること、です。

この2つが、昨今のおよび今後火を見るより明らかな薬価抑制圧力の高まりの中で必然的に低コスト化を促すこと、そして製薬会社は生き残りを賭け低コスト生産競争に走らざるを得なくなること、です。

かつて(といってもそう遠い昔ではありません)の日本ではジェネリックといえども新薬の7割の価格で売ることができましたが、今では最初から3割とか市場価格制度の米国の水準にどんどん近づいています。

めざすべきは、日本でのコスト競争に生き残るという水準を遥かに超えた圧倒的低コストでの生産システムを、異業種の知恵も入れて「ものづくり」の本領を発揮して構築し(必ずしもハイテク化ではありません)、ちょうど良い品質(そもそも品質とはちょうど良いものであって高級とは全く違います)を誰よりも安く作ることができる筈です。

電力生産性の低い日本で作ることが障害になるのであれば、生産地を移せばよく、広義の技術を提供することで価値を創造すればよいのです。

次回は3つ目の戦略方向性について書きます。