コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

AIはaltenative intelligence

AIはartificial intelligenceの略だが、これをalternative intelligenceとみなしたらどうか。

単なるセマンティックの問題ではない。

人工知能という時、本質的に人間の知能をmimicするということになっていないか。

人間の使う言語をAIがシンボルとしてしか理解できないため、そこに実態との乖離が生じるシンボルグラウンディング(記号接地)問題とはまさにそのコンテクストであろう。

しかし今後(既に存在するかもしれないが)人間が全く介在せず、ある問題を人間が考え得ない方法で解決するalternative intelligenceがあるとしたらどうだろう。

既に人工知能同士は自らの言語で会話していると聞いたことがある。

 

【読書メモ】クラシックの真実は大作曲家の自筆譜にあり

作曲家である中村洋子先生は、以前からブログを読んで大変勉強になると思っていた。

DU BOOKS: クラシックの真実は大作曲家の「自筆譜」にあり! - バッハ、ショパンの自筆譜をアナリーゼすれば、曲の構造、演奏法までも分かる / 中村洋子

 

この本はおそらくピアニスト必読の書の一つといって良いであろう。

ショパンのエキエル版、ナショナルエディション。正統とされるこの版が如何にショパンの意図を蔑ろにしているかが仔細に明快に書かれている。

バッハの楽曲を決して忘れない暗譜に仕上げる方法などもとても参考になる。

何より、音楽をアナリーゼすることを楽しめるようになる意味でとても価値がある。

人間増幅(AH)こそAIの役割

先日あるクローズドの研究会であるAIの専門家とされる(かなり有名である)方を講師に招いて議論する機会があった。

自分としては、もはやAIと一括りにして論じることになんの意味もないと思っているし、論じるなら所謂IoTやロボティクスも併せて論じないと意味はないと思っている。

かなり水準の高いジャーナリズムであってすら、AI脅威論が先行しているのには違和感を覚える。

特に「AIで〇〇万人が失業する」には辟易している。業務の生産性向上、付加価値向上の手段としてAIを捉えるのが正しい視点である。

ただし、The Economist先々週号の特集記事がテーマとしている軍事利用については脅威としてむしろもっと論じるべきだ。

シンギュラリティが言われ始めてからずっと自分は人間増幅こそAIの役割だと考え、主張してきている。

そして、AIによって最も増幅される人間の特性をオリジナルの「オーケストレーター」という概念で定義し、既に10万字以上費やしいつでも出版できる形にしている。

Pythonなどプログラミング言語を使えなくてもいいがそれが何を実現するものかは理解しておかねばならない。

ただあくまでも価値を創造するのはどうやって実装するかを考え実行する人ではなく、何をするかを決める人だ。

皆がそうなれればAIに仕事を奪われることはない。

田中希代子というピアニストがいた

ピアニストなら皆ご存知であろう。田中希代子

ショパンコンクール日本人初入賞者は中村紘子ではない。

ステージの後は毎回絶望のあまり死にたいと嘆いたほど自分に厳しかった人。

これからという時に膠原病を発症しコンサートピアニスト生命を断たれた人。 

 

田中希代子―夜明けのピアニスト

田中希代子―夜明けのピアニスト

 

 

ぜひ読まれたい。

CDも出ている。6枚全部購入して何度も聴いた。

たとえばこれがお勧めである。特に5番。

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番&第5番

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番&第5番

 

ソロ演奏ではこれ。渾身のベートーヴェンの32番。

 

 

 

デジタルピアノで十分

ここ数年で、クラシックピアノ界の中でも硬派のアコースティック主義者にもデジタルピアノの存在を認める動きが出ているのは好ましいことである。

クラシック音楽が市場として発展するためには、ピアノ人口が増えることが必要条件であり、日本の住宅事情を勘案すると、「グランド・ピアノで練習しないとダメ!」的な主張はこの必要条件として否定しているに等しい。そのような方々にとっては、市場・業界の全体としての発展よりも自分の信条やプライドが優先するのであろう。

とはいっても、一昔前のデジタル・ピアノは、やはりアコースティックには性能面でとても比肩するものではなかったから、一昔であればその主張は一理あった。

永年のデジタル・ピアノユーザーである自分は、子供の頃は家にアップライトとグランドが1台ずつある恵まれた環境にあったので、社会人になって始めて購入したデジタル・ピアノ(Y社製だったがK社もC社もR社も同程度あるいはそれ以下)ではやはりおもちゃ感満載で、練習する気も削がれるものであった。鍵盤のアクション、タッチもサウンドもペダルも非の打ちどころ満載であった。

現在では、2年ほど前に購入したカワイのCA67を愛用している。

まったく文句はない。

 たしかにアコースティックなグランドがベストだが、取得にも維持にも投資額が高すぎる。

それにアコースティックグランドならではの良さを存分に引き出す演奏はほとんどの人にはできない。

デジタルツールで行動変容

糖尿病はsilent killerとも呼ばれ、日本を含む各国で患者数が潜在的に人口の1割にも及ぶ(日本やアメリカの場合)慢性疾患であり、毛細血管がダメージを受けるため腎不全、網膜の炎症や中枢神経障害といった合併症をもたらす恐ろしい病気である。

しかし徐々に進行するために、患者の意識が低いと重症化し、重症化を防ぐには正しい治療と食事や運動など日常の習慣や行動の変容が欠かせない。

自分は常に血糖値も正常で糖尿病ではないが、2015年3月末に数年ぶりに原因不明のアレルギーを発症し(診断名は多形滲出性紅斑だが重度かもしれない)、その際は緊急入院となった。入院は人生初。

これがきっかけで食事特に炭水化物を減らし、ウォーキングを始めた。fitbitを始めて毎日の食事、歩数、心拍数、カロリー消費の管理を開始した。糖質制限はかなり厳格にやった。

その結果体重は15kg減、体脂肪率は24%から3-5%まで下げ、現在も維持している。

毎日の歩数も当初は8,000歩目標にしていたが、今は20,000歩が当たり前になっている。

暴飲暴食はなく、二日酔いもなく、ずっと悩まされてきた頭痛や胃腸の不調もなくなった。何よりアレルギーは再発していない。

西洋医学エビデンスはない。しかし極端なパレオ主義ほどではないが、現代人は運動が少ない割にカロリー摂取が多すぎる。これでは様々な疾患が発生してもおかしくはないだろう。人体は数十年で進化するものではないだろうから。

自分が行動変容できたのはfitbitというIoTシステムのおかげである。

目下fitbitはデジタルメディシンを戦略としているがそれは正しい。

【読書メモ】明治維新という名の洗脳

今年2018年は1868年の大政奉還から150年で、国を挙げて(一部かなり熱狂的に)「明治維新150年」機運が盛り上がっている。

なぜなのか。

自分は昔から「坂の上の雲」的な、司馬遼太郎史観とされる(司馬遼太郎さんのせいではなくそれを盛り上げた人々によって作られた)、あの頃の日本人はすごかった、的なものにまったく賛同できず、とても冷めた目で見てきた。

そう。まさに明治維新という名の洗脳なのであろう。

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苫米地英人さん著によるこの本は、自分のこの冷めた目を史実に基づき明快に説明してくれる。

そして何より、歴史を紐解くことの意味は単なる好奇心を満足する為ではなく、未来を予測することにあると信じている。

違う学問だが、学者さんによっては「学問は未来を予測するためのものではない!」などと正面切って堂々とのたまわる方もいらっしゃるが、だったら趣味で粛々とやっておればよいのだ。

未来予測ができない経済学(実際できていない)など学ぶ必要も研究する必要もない(未来予測を目指さないのであれば)。

詳しくはぜひこの本を読んでいただきたいが、明治維新は終わっていないという主張は説得力がある。そして、そうだとするといろいろなことに説明がつく。

スクリャービン エチュード作品42第5番嬰ハ短調

突如必要が生じて練習することになった。

10年ほど前に取組かけたことがあったが、優先順位をかなり下げたままほとんど手をつけず放置していた。

あらためて楽曲分析から始めている。

全体の構成は、終曲に向けて波状攻撃的に盛り上げていく(黒ミサ、焔に向かってなど)、スクリャービンが好んで用いた形式で、方向が定まらず不安感を募らせる苦悶の主題Aと、悲嘆にくれる哀歌のような主題Bが変奏され交互に現れるシンプルな構成をとっている。

この曲の難しさは、左手のコサックと言われたスクリャービンの高い要求に応えるように、左手の分散和音は流れるように滑らかに、手の都合、技術的な未熟さ故に不要なアクセントをつけたり、強くなり過ぎないようにすることである。特にppの箇所で右手の旋律を邪魔するようなことがあってはならない。

最初に主題が出現するときはよいのだが、変奏では内声にショパンエチュード10-6のような声部を上品に決して主張しすぎることなく名脇役として奏し主旋律を引き立たせなければならなかったり、和音のボイシングも極めて繊細で高度なものが要求されるなど、音楽が要求するメカニックにはきわめて高度なものが次々に求められる難曲である。

これらの要求を、音楽の正確な理解に基づききちんと聴衆にそれと認識できるように演奏することは至難の業であり、それ故にアマチュア(プロですら)の演奏には平板であったり、コーダの盛り上げ前に頂点に達してしまい作曲家の意図した形式どおりに演奏できないなど、問題が多発する。

そもそもこの曲をppでかすれず美しく立体的に弾くことがまずできなくてはならない。むしろfやffの方がよほど楽である。したがって冒頭で奏者の腕前がわかってしまう曲でもある。

頭脳王の計算問題

 先週の金曜日2/2に日テレ系で放映された「最強の頭脳 日本一決定戦! 頭脳王」はノーベル賞受賞者、歴史上の人物、パズルなど定番の問題が多いが、計算問題はなかなか工夫が施されていて面白い。

難易度は、一見難しそうだが、東大や京大の数学や物理の二次試験問題に較べれば易しい。

むしろ前提や結果がSF的で直感的にわかりやすいところが良問である。

 

いくつか出題された中で、2つの問題を解いてみる。

1つ目はブラックホールの直径を求める問題。

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これはブラックホールに関するシュワルツシルト半径の概念と公式を知っていれば一発で解ける。

シュワルツシルト半径 - Wikipedia

桁が大きいので常に指数表示で計算しないと。凡ミス注意。

 

2つ目。ゴジラの声が大きいことに着想した問題。

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要はエネルギーが身長の3乗に比例し、音量は距離の2乗に反比例するので、身長比の3乗が距離比の2乗に等しいと置き、開立法すればよい。

開立法の近似式を知っていないと制限時間内に解くのは厳しい。

 

電卓やPCを使わないで計算する能力も頭脳王には必要ということ。

これじ

武満徹 雨の樹素描II オリヴィエ・メシアンの追憶に

目下絞り込んで取り組み中の自分にとっての新曲の一つが、武満徹作曲の雨の樹II。

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メシアンの追憶と作曲家自身題しているが、和音からそれは明瞭に伝わってくる。

 

この曲の難しさは立体感にある。休符を如何に扱うかもきわめて重要。幸い作曲家は仔細に指示をしてくれているし、楽譜から読み取れることも多い。