コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

中国の技術力はどれぐらいすごいのか

いま最も関心があることといえば中国の技術力。

先日ある研究会で仮想通貨(暗合通貨という方が正しい。cryptocurrency)の話題だった。

ビットコインのマイニングは、かつては素人でもがんばればできたのだが、今では一握りのプロ(組織)による上位寡占化(oligopoly)が進んでいる。そしてその上位を占めるのが中国勢。

写真も見せてもらったが、中国の奥地、内モンゴル自治区Inner Mongolia Autonomous Region)に、巨大な工場があり、ひたすらコンピュータが並んでいる光景。莫大な電力を消費するため電気料金の安い奥地なのだという。

探してみたら記事があった。一日の収入は700万ドル(約8億円)だという。

qz.com

これは中国のテクノロジー優位性を物語る一つの例でしかない。

 

世界のスーパーコンピュータのランキングが半年に一度公表されているが、先月発表された最新のランキングでは2位と4位に中国のスパコンがランクされている。

June 2018 | TOP500 Supercomputer Sites

2位のSunway Taihulight(神威・太湖之光)は前回2017年11月時点では世界一であった。

 

US Newsが世界の大学ランキングを発表している。総合ではHarvardが1位となっているが、学部別にみると、Computer Scienceでは清華大学(Tsingha University)が1位である。

https://www.usnews.com/education/best-global-universities/search?region=&subject=computer-science&name=

そして9位には華中科技大学(Huazhong University of Science and Technology)、10位には浙江大学(Zhejiang University)と世界のトップ10に3校もランクインしている。

(ちなみに日本の大学でこの学部で最高位は91位の東京大学。正確には東京大学にはコンピュータサイエンス専攻というものはなく情報科学である)

 

AIでは百度(Baidu)の最近のこの記事が気になる。IBM Watsonも医療への応用を進めているが、このBaiduのすごいのはがん特定の精度のみならず、オープンソースということである。

www.digitaltrends.com

しかし如何にAIのアルゴリズムが優れていても、分析の対象となるビッグデータがなくては意味がない。中国の恐ろしいところは、国家権力でビッグデータを収集することができることだ。医療AIに関しては他のどの国も企業も中国には太刀打ちできないかもしれない。

 

このサイトが9つの先進技術の例(先述のスパコンを含む)が挙げられている。

www.techworld.com

 

その他にも、みればみるほど中国の先進性がみえてくる。たとえばAlibabaのキャッシュレススーパー。便利そうである。

www.businessinsider.com

 

 

国連英検特A級二次試験準備

結果通知が来た(そして見た)のが金曜の晩だったし、ここ数か月あまりに仕事が忙しい(やること多すぎ)こともあり、まったく手付かずであった国連英検特A級二次試験の準備を開始!

昨日は午後にコンクールの予選であったため、午前中は朝から5時間ピアノの練習に没頭。

  • 出かける前に、受験前に記入するインタビューシートからの質問も想定し、過去のインタビューシートの画像(持っていた国連英検過去問集の付録と同じだった)をA4で印刷して、聞かれたら自信を持って答えられることに絞って記入(ここに余計なことを書いてはいけない)
  • コンクール会場に向かうバスに乗るバス停へ歩きながら、YouTubeで国連のWHO(世界保健機関)の最新の動き、米国のHuman Rights Councilに関するディベート動画などをチェック
  • バスの中では、国連英検の合格体験記や合格されたみなさんのブログから、試験(試験官2人によるインタビュー)の質問内容や進め方などをチェック
  • 行きの電車では、WHOの歴史、特にsmallpox撲滅成功(1979年)やエボラアウトブレイク(2014年)時のWHOへの批判、予算、組織、スタッフ数、各種ガイドライン(仕事で医療関係をやることも多いのでこれは話せる)などを確認しつつ、WHOに求められることに関する自分の提言も考える
  • コンクール本番前にルノアールで軽くランチ。ここでは今最も自分が関心を持っているグローバルイシューである中国の台頭について調べつつ考えをまとめる。これに関しては、最近仕事でも自分が参加する研究会でも常に話題になっているので話すことの広さと深さには自信がある。習近平というリーダーが有する力、技術力(AI×ビッグデータ、宇宙開発(月に関しては日本は既に遠く及ばない)、コンピュータ(清華大学はUS Newsのグローバル大学ランキングのコンピュータサイエンス部門で世界一、世界最高性能スパコンは中国製)、超短工期高層ビル建設技術など)
  • 帰りの電車では、各地域の時事問題をチェック。ロヒンギャトランプ大統領のtender shelterがらみ、イエメン、パレスチナバングラデシュ北朝鮮、などなど。

面接という形式の試験において最も重要なことは2つ:

  1. 自信を持って臨むこと(「プレゼンス」は全体の印象を変える)
  2. 機転の利いた応答(必ずしも自分が知らないことを聞かれてもうろたえない)

である。

いずれに関しても、誰と会っても、またどんな厳しい質問に対してもその場で即座に答えなければならないコンサルタントとして常日頃から十分に技を磨いているところである。

もちろん、国連という組織と活動について基本的なことを知らないのは減点になるが、百科事典的な知識を求められている訳ではない。

あとはできるだけ頻繁にスカイプ英会話で英語でのコミュニケーションに慣れておくこと。発音は最近かなり評価が高くなってきた。スカイプ英会話での音声の悪さもかえって訓練になっている。

国連英検特A級一次試験自己採点

5/27に受けた一次試験、ウェブに正答表がアップされていたのを今頃気づいたので(そおいうことは受験者に言わんかい‼️)自己採点してみたら80問中62問正解なので正答率78%と悪くない結果。

小論文は20点満点だが、語彙と文法的には自信はあるものの、環境問題という国連の貢献が見えにくいトピックなので内容的には自信がなく10点しかもらえないと想定してトータル72点。

これは過去の合格ラインの高い時の70%は上回るものではあるものの、余裕があるとは言いがたい。

国際司法裁判所の裁判官の任期というサービス問題をミスしたのが命とりかもしれない。

ここは一問の成否が重要。

しかし都心から昨日発送された合否通知が翌日届かないというのはどういうことか。

今さら郵便というのも時代錯誤。申込はオンラインなのにな。

まぁ別に不合格でも何を失う訳でもなく合格でも自己満足だけなのでどーでもいいのだが。

CSVはあたりまえ

医薬品のCSVが業界の一部で対応に苦慮していると聞いたのでどういうものか調べてみたが、データインテグリティとかごくあたりまえのことではないか。

逆にいえば不完全なデータで医薬品を開発製造している可能性があるということになる。

CSVとはcomputerized system validationの略で、日本語ではコンピュータ化システムバリデーションと呼ばれている(ほとんどそのままカタカナである)。

要は、昔は紙ベースで管理されていた、医薬品の開発から製造に至る一連のデータが一層電子化、デジタル化されるので、コンピュータ上(およびネットワーク上)で「データインテグリティ」(データの完全性ということらしい)がきちんと担保されるようにしなさい、ということである。

これが言われるようになったのはここ10年ほどのことである。背景にはこの手のガイドラインの多くがそうであるように、医薬品の開発や製造に関するデータが改竄されたり、漏洩したりといった不祥事や事故があったから、すなわちデータ・インテグリティが担保されていなかったということがある。

しかしそんな中でも医薬品は次々に開発され承認され販売されている。

当局としても不祥事には対処する責任があるからガイドラインや法令を作らねばならないということはあるものの、しかし元の文章を読むと至極あたりまえのことしか書いていない。

医薬品会社にCSVを担保するだけの十分な人材・組織能力が欠如しているということも指摘されているが、それでいいのだろうか。

生きるのが苦しい理由

ちょっと青臭いが本質的なことを書いてみる。

変に無理してポジティブに考えるのではなく、自分の本音に向き合う方がはるかに価値があることもある。

 

生きるのが苦しい理由。

それは生きることは苦しいことだという思い込み故である。

生に対する執着が強いほど苦しくなる。いや苦しさをおびき寄せる。

仮に執着が弱くとも死に対する恐怖がある。

生きたくも死にたくもない存在。

それが人間の本質。

どう説明しようが所詮は言い訳。

死ぬのが怖い。

だから苦しい。

もし仮に死を怖れることがなかったらどうか。

苦しみは消えるだろう。

しかしこの「もし」は深遠だ。

 

この深遠な「もし」を人生を投じて考え続けた末に答にたどり着いたのが中島義道先生である。

以前の投稿を貼り付けてみる。

jimkbys471.hatenablog.com

 

身も蓋もないタイトルと身も蓋もない内容の、先生の著書を2冊お勧めする。

www.kadokawa.co.jp

www.kadokawa.co.jp

抽象代数学は訳あってわかりにくい

黒川先生の提唱する絶対数学を理解するには、前提として群、環、体といった代数学の基本概念を理解することが必須である。

抽象代数学 - Wikipedia

モノイド、イデアル、保形形式といったこれまた耳慣れない(というか普通聞く機会もない)用語がならぶ。

群論の入門書はいくつか読んでいるものの、どうしてもイメージし難いので、きっとGoogle先生なら答を持っているだろうと思い、そもそもたとえば群論は何の目的にあるのか、「群論 目的」で検索してみた。

すると、よい解説に出会った。

blog.visvirial.com

このページの末尾、注7に、とても重要なことが書かれている。

端的に言うと、「抽象的なのは抽象的であることを意図しているからである」ということである。

身も蓋もない言い方のように聞こえるがそれは違う。

数学とは、構造を解き明かす概念なのである。数というもの(たとえば我々が普段使うう自然数)はあくまでも記号であり、それ自体すでに抽象化・一般化されているものなのである。

そして、ある特定の前提のもとで成り立っているものが、前提を変えたらどうなるのかなど他の場合に成立するか否か、成立するとしたらその条件は何なのか、成立する場合の全体とはどのような形をしているのか、などを厳密に論理的に解明していく学問なのである。

したがって、「これは何に使えるのか」という、具体的な実際的な応用を問う質問自体が成立しない。あるときに使えても他の場合に使えないのであれば応用は限定されている。N=1のときに成立してもN=2以上で成立しないのであればN=2、N=3・・・の場合にはどうなるかをあらためて考えなければならず、Nは無限に存在するので決して一般化できない、つまり構造がわからない。

また自然数上で成立しても0と負の整数の場合に成立するのか、有理数ではどうなのか、無理数ではどうなのか、という疑問も当然発生する。

2次元で成立しても3次元で成立するとは限らない。数学者はこういうのが嫌いである。一般的にn次元の場合にどうなるか説明できないと気が済まない。

数学が向かう方向は応用ではない。より一般的な構造の解明なのである。

そうはいっても具体的なイメージがないと概念を理解しにくいのも確かである。

世の中の様々な対象が群論で説明できることを知るとより身近に感じられるのではないだろうか。

たとえばあみだくじの仕組である。

あるいはルービックキューブの解法である。

ルービックキューブ3x3)を群論で説明した資料があった(東邦大の卒論)。これは面白い。

http://www.lab2.toho-u.ac.jp/sci/is/shirayanagi/2015/mizuno.pdf

本番で真価を発揮するには

ビジネスで古参の役員など錚々たる面々の前でプレゼンする、学会でその道の先達、専門家たちの前で研究成果を発表する、コンサートやコンクールで耳の肥えた聴衆や審査員の前で演奏する。

いずれも緊張を強いられ、恐怖に苛まれ、声がうわずって何を言っているのかわからなくなったり、演奏であればミスがミスを呼んだり崩壊したりしかねない状況である。

自分は学会でもビジネスでもあまり「あがる」という経験がない。

英語でも日本語でもである。

しかしピアノは違う。崩壊や大事故はないものの、練習とは、また直前のゲネプロとはほど遠い不本意な演奏になったことは少なからずある。

なぜプレゼンではできてピアノ演奏だと実力が発揮できないのか。

その理由にやっと気づいた。

ピアノ演奏は一度ミスしたら取り返せないという思い込み、リカバリーできないという思い込みに過ぎなかったのだ。

音楽は流れがとても重要だから、リカバリーといっても弾き直すということではない。

ミスに動揺しないということ、引きずらないということである。

一度ミスをしても前に進む。進めるのだ。

そう考え方を変えるだけ。

というより、自ら課した不要なルールを撤廃するだけなのだ。

かつての自分にはそんなルールはなかった。

しかしピアノを再開してコンクールに出るようになってから勝手にそのようなルールを作り遵守を命じてきたようである。

はい解決。

GEがダウ平均から外される

米国経済の変化を示す象徴的な出来事が先日あった。

money.cnn.com

ヘッドラインは、「GEがダウから追い出される」である。

ぼくは2009年までGEのヘルスケア事業に幹部として(当時General Manager)として勤務していたこともあり、GEの戦略には常に注視していたのだが、当時から次の成長の柱を探す動きは大きく、成長率が低迷するヘルスケアにもかなりプレッシャーがかかっていた(そして自分にも)。

メディア、プラスチック事業、金融などを次々に売却する一方で、最近ではソフト事業を買収しIoTに注力するなどの方針を打ち出していたが、株価の低迷を克服することが出来ない状況で、創業以来の事業である照明も苦境に陥っている。

GEに代わってダウ平均30種に採用されたのは、調剤薬局大手のWalgreenである。

GEの時価総額は1,130億ドル(約12.4兆円)、Walgreenの時価総額は670億ドル(約7.4兆円)と、時価総額でみればGEの方がはるかに大きいのであるが、先の記事によると「GEはもはや米国経済の代表的な事業構成ではない」ということである。

ダウ平均30種の入れ替えがあったのは、2015年にAppleAT&Tに取って代わって以来である。

次に取って代わられるのはIBMかもしれない。

絶対数学学習開始!

昨日ご報告申し上げた黒川先生の新著(と言っても昨年)だが、あまりに哲学的抽象的なので、入門たるべきものを探して仕事のついでに国会図書館で探索。

あった!

代数学の全12回連載シリーズ!

2015年4月から2016年3月まで、雑誌「現代数学」(月間)に1年間にわたって連載された力作です。

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全回複写完了!

まずは第一回「現代数学に至る道」です。

数学史上最大の難問とされるリーマン予想フェルマー予想リーマン予想に比べると難しいとはいえども難しさの次元が違うらしいです。黒川先生によると)、そしてリーマン予想とならび新たな難問であるラングランズ予想などに関して頭出ししています。

この回は数式がほとんど出てきませんが、次回以降は数式のオンパレードです。

 

明日から読もうっと。。