コンサルタントはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

医療

終末期医療に関する私見

終末期医療とは、「助かる見込みのないステージに到達した」患者さんに対する診療行為とされているということですが、どうも日本と欧米では考え方が違うようです。 この「助かる見込みのない」というところにかかる言葉として、「あらゆる手段を尽くしても」…

専門薬局という存在

日本の調剤薬局は、アインファーマシーズや日本調剤といった大手が存在し、合従連衡が進行しているものの、最大手のアイングループでも売上高は約1,900億円(連結)、上位5社(アイン、日本調剤、クオール、総合メディカル、トーカイ)の売上高を合計しても…

配置薬業界・企業はどうなるのか

配置用医薬品とは、いわゆる「富山の薬売り」が各家庭(あるいは事業所)に薬箱を設置し、定期的に薬の補充をする訪問販売形式の医薬品のことです。 江戸時代に、前田藩2代目藩主の令を発端に成長の礎が築かれたこの日本独特の業界セグメントですが、ドラッ…

心療内科の現状について調べてみた

精神疾患はあるアンケート調査によると4割から5割は誤診と言われていますし、長期にわたって抗うつ剤や抗不安剤などを服用し続けることで却って病状が悪化するとも言われています(心療内科医は依存性はないと当然いいますが)。 前述のとおり、そもそも精神…

変わりゆく福祉国家

北欧諸国、特にスウェーデン王国は、日本でも高福祉国家としてかつてより認識されており、政府や厚労省の社会保障制度のモデルとしても頻繁にとりあげられる国です。 そのスウェーデンの社会福祉に転機が訪れています。 著名な外交専門誌であるForeign Affai…

あやしい健康法はやっぱりあやしい

かなり前ですが2015年8月のNew York Timesの医療コラムに、インディアナ大学医学部の教授が「水を一日2リットル飲むと身体に良いというのは根拠がない」と書いたことが反響を呼んだことがありました。 ミランダ・カーなどスーパーモデルが一日3リットル水を…

安楽死について少し調べてみた

安楽死(euthanasia)は米国でも日本でも時折話題になります。つい最近(9/29)米国テネシー州で元民主党州知事候補の安楽死(米国ではphysician-assisted suicideと呼ぶ)が違法判決を出されたばかりです。安楽死には積極的安楽死と消極的安楽死(延命治療…

LTTバイオファーマに注目しています

LTTバイオファーマという日本のバイオベンチャーは、他の多くのバイオベンチャーの例にもれず業績的には苦戦しているものの、その戦略的方向性は医薬品業界の進むべき方向を直接的にアドレスしている点で注目すべき企業だとおもいます。 www.ltt.co.jp 進む…

医療におけるベイズ統計

近年ますます注目されている「ビッグ・データ」に関連し、ヘルスケアに限った話ではなく政治や金融、ITの分野で近年ようやく活用され成果をあげつつある数学、特に統計の1分野であるベイズ統計は、実は医薬品や医療機器のシーズ探索含む開発期間短縮に威力を…

いちばん大切なことを忘れていたこの15年

仕事もプライベートも一度に重いことが重なりいっぱいいっぱいになっている今日、すがる思いで心を休めるべくウェブ検索したら、あるカウンセラーのサイトに行き当たりました。 「こころにまるを」 http://kokoo.jp 丸尾さんという若い男性カウンセラー。 記…

英文記事抄録:AIが医療を革新する10の方法

普段仕事の上で情報収集している医療技術系サイトに「10 Ways AI is Disrupting Medicine(AIが医療を革新する10の方法)」という記事があったので読んでみました。 www.qmed.com その10の方法とは: Unlocking the Value of Genomics(ゲノミクスの価値を解…

自分がやってきたことが実はパレオダイエット的だった

おとといの投稿で「ブルーゾーン」について書きましたが、その際に参考サイトを探していたら、よくある「こんな記事も読まれています」に「いかに私は40kg台にまで体重を落としたのか」という記事がありました。 おおっ。 いやまて、これ女性の話じゃないの…

製薬会社が売りたくない抗がん剤があるらしい

最近マスコミ(特に週刊○代など)「抗がん剤は効かない」と主張してきており、それは概ね正しいのですが、中には「効く」抗がん剤も存在します。 オプジーボ、キートルーダ(日本語ではありませんが「効いとるーだ」みたいに聞こえなくもありません)、それ…

読書メモ:ブルーゾーン~世界のセンテナリアンに学ぶ健康と長寿のルール~

ひさしぶりに地元の図書館に足を運び(家から1kmぐらいのところにあるのでいい散歩になります)、来月から自分主宰で始める研究会のテーマである「健康長寿」に関する本を探してみました。 「ブルーゾーン~世界のセンテナリアンに学ぶ健康と長寿のルール~…

「保健医療2035」を読み解く(3)

我々日本人の未来がかかっている最重要の保健医療システムの進むべき方向性を指し示す「保健医療2035」シリーズ3回目は、前々回(1)の現状認識、前回(2)の改革の方向性=パラダイム・シフト、を経て2035年のあるべき姿編です。 (1)はこちら: jimkby…

フレイルとサルコペニア~健康長寿社会はどうしたら実現できるのかについて考えてみた

目下、健康寿命を如何に延ばすかということをテーマとして考えているのですが、健康寿命を短くするものの一つとして、ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)は聞かれたことがある方が多いかと思います。通称ロコモとも呼ばれたりしますが、骨や関節、…

「保健医療2035」を読み解く(1)

約2年前の2015年6月に、厚労省の「保健医療2035」政策懇談会から、2035年の日本の医療の在り方をとりまとめた提言、「保健医療2035」が提示されました。 提言はここで見れます。 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12601000-Seisakutoukatsukan-S…

インシリコ創薬

インシリコ(in silico)は珪素を意味するラテン語silicoの中で(この場合inもラテン語です)という意味で、珪素は半導体の意味、すなわちコンピュータで、ということです。 特に、ヘルスケア領域においては生体のメカニズムや新薬の効能等をモデリングの上…

血圧連続測定という夢の実現は近いのか

少し前のことですが、オムロンヘルスケア社(オムロンのグループ会社)が、画期的な技術を発表しています。 血圧の連続測定です。 血圧はきわめて基本的な生体情報ですが、実は連続測定がきわめて難しい指標でした。オムロンヘルスケアのこの技術は世界の最…

CAR-T療法とは何なのかをあえて解説してみる

ライフサイエンス/ヘルスケアの領域では再生医療が最先端のように見えなくもないですが、再生医療以外にも著しい進展をみせている創薬の分野があり、その一つがCAR-T療法です。 近年再生医療から一歩引いたかに見えるグローバルメガファーマのNovartisとKit…

青学の躍進に思ったこと

医薬品・医療機器のクライアント(前職の外資系コンサルティングファームのクライアントも含め)感じるのは組織能力強化の必要性です。その点、GEという組織はリーダーシップ、プロセス、仕組、ひっくるめて「オペレーティング・メカニズム」、経営基盤が強…

活性酸素は悪者なのか?

活性酸素は、身体を錆びさせる、老化を促進する、がんになるなどともっともらしく喧伝されているのですっかり「活性酸素=悪者」という認識が一般的には定着している(洗脳している)かもしれませんが、本来活性酸素は生命活動において自然に発生しているも…

アルツハイマーという難敵を倒す第一歩

デジタルバイオマーカーの出現 「見えないものはマネージできない」という表現があてはまるのは企業経営だけでなく医療の世界も然りです。特に心の病、脳機能に起因する病などはその最たるものです。「見える」ようにする、すなわち可視化するのがバイタルや…

歩いて医療費削減~メッツ健康法

世の中の健康法の多くは「疑似科学」です。「~が健康に良い」は昔から次から次へと出てきますし、いわゆるトクホも機能性表示食品にしてもそうですが、実は根拠(エビデンス)が乏しい「疑似科学」に過ぎないものがほとんとです。 そんな中でじむが注目して…

動的ネットワークバイオマーカー ~将来あるべきヘルスケアを支える技術~

まことに手前味噌ながら500投稿目です。今回は将来有るべきヘルスケアを支える技術として長期的に大いに期待すべき技術について書きたいと思います。 一昨年、数理シミュレーションシステムに強みを有する㈱構造計画研究所のご招待で、同社主催のセミナー「K…

ヘルスケア業界を読み解くキーワード(2)先端技術編②

前回は、毎週社内メルマガで書いているヘルスケアコラムのキーワードのうち、先端的な技術のキーワードを6つ選び解説しました。 jimkbys471.hatenablog.com 前回に続き、今回も先端技術編②としまして、6つのキーワードをご紹介します(6に特に意味はありま…

日本の製薬産業の取るべき道は3つ(その4)

前回(その3)では戦略方向性の2つ目、「コスト・リーダー・プレイ」について書きました。今回は3つ目、名付けて「中分子レイヤーマスター」です。 台頭する可能性のある中分子医薬であるペプチドや次世代抗体医薬、核酸医薬の疾病領域や基盤技術を含めた国…

日本の製薬産業の取るべき道は3つ(その3)

前回は3つの戦略方向性の1つ目「カテゴリー・フォーカス・プレイ」について書きましたので、今回は2つ目について書きます。 2つ目とは、「コスト・リーダー・プレイ」です。 日本の技術力を活かしたコモディティ医薬品の抜本的な生産システム革新(連続生産…

日本の製薬産業の取るべき道は3つ(その2)

前回(その1)では、日本の製薬産業はどうあるべきか、どこに行くべきかに関する私論としての3つの戦略方向性があることを書きましたので、今回はこの1つ目について書いてみたいとおもいます。 jimkbys471.hatenablog.com 3つの方向性の一つ目は「カテゴリ…

ヘルスケア業界を読み解くキーワード(1)先端技術編①

ヘルスケア業界を担当するコンサルタントとしては、最新のキーワードを業界を、特に業界の変化を読み解くコンセプトとして捉えて理解していなければなりません。 毎週社内メルマガに一つずつ自分の解釈つきで紹介しているものをシリーズで書いていきたいと思…

ユマニチュード~新しい介護のあり方~

医療・介護に関しては日頃仕事の上でもプライベートでも問題意識を持って情報収集し、また仕事に活かしているのですが、つい先ごろウェブで「ユマニチュード」という概念に遭遇しました。 ユマニチュードとは、介護の世界に革命をもたらすと期待されている、…

医療の公開データがすごい~NDBオープンデータ分析開始

医療の情報公開は実はとても進んでいます。 昨年秋、厚生労働省は医療機関が提出を義務付けられている診療データをまとめて一挙公開しました。 www.mhlw.go.jp このデータは、診療報酬に関する情報、すなわち医科と歯科における初診、再診、入院基本料、管理…

日本の製薬産業の取るべき道は3つ(その1)

先日、ある方からの相談を受けて、日本の製薬産業はどうあるべきか、どこに行くべきかということをあらためて考える機会がありました。 この業界は周辺セクターを含めて15年以上見てきており、外資系、内資系の10を超える大小様々な製薬会社のCEO、社長から…

おとぎの国日本再興

「このままで日本は大丈夫なのか」 「日本の未来は明るいのか」 と街角で100人に聞いて「はいはいはーい!そうおもいまーす!」と胸を張って答えられる人は何人いるだろうか。1人でもいるといいな。 ・・・というのが現実ではないでしょうか。 世界最速で進…

体脂肪率5%のサラリーマンは何を食べているのか

ぼくが1年半前決意して減量というよりバイオハックに乗り出して以来体脂肪率体重維持のためにやっていることは大きく3つです 1. 歩く 2. 食べない 3. モニタリング 1.については、再三(しつこく)このブログでアップデートしていますがとにかく歩きます。1…

知的付加価値生産性を高める企業の健康経営の目的関数は社員の集中力アップ

コンサルタントとしてプロジェクト遂行にあたっても組織力強化また人材育成においても共通の永年のテーマは生産性の向上です。 したがって常に関連文献はチェックしているのですが、今回は今年2月に、若き予防医学・行動科学の権威として有名な石川善樹医師…

自分に嘘をつくな ~自己進化・上達最大の阻害要因を取り除け~

仕事でもピアノでも減量でも或いはスポーツでも最も重要なことは自分に嘘をつかないことだ。 自分に嘘をつくことは自己進化を遂げる上で、自分が取り組んでいることにおいて上達する上で最大の阻害要因となる。 なぜか。 自分に嘘をつくということは、自分の…

読書メモ:断食療法50年で見えてきたもの

一昨年の9月に思い立って減量を開始してから1年半、すっかり風邪もひかなくなりアレルギー症状からも遠ざかっています。頭痛もなくなり、かなり呑んでも二日酔いにもならず、活動的になり、一層朝方になって仕事もピアノも捗っている毎日ですが、それでもま…

歯周病は万病の素なのかもしれない

最近知見が蓄積されればされるほど、歯周病というのが如何に恐ろしい問題であり、ヘルスケアにおいて重要な未充足ニーズであることが明らかになってきています。 歯周病は欧米ではsilent diseaseと呼ばれ、気が付いた時には手遅れ(歯が抜け落ちてしまう)と…

コンサルタントに必要な業界知見

ぼくが文章を書いている目的はただ一つ、クライアントと話す或いはプレゼンするというアウトプットのためのインプットを自分に動機付けることとアウトプットの仮説を作ることです。 ヘルスケア領域は業界セグメントを区切っていくとディープニッチの集合体で…

テクノロジーは社会保障負担を下げる

いま日本で最も深刻な問題は財政破綻の可能性と安全保障です。 財政破綻の可能性は異次元金融緩和の出口が見えないことと社会保障負担の急増でいよいよ現実味を帯びるまで高まっています。 既に超高齢社会である日本を象徴する表現が2025年問題ですが、これ…

一般普遍解と個別暫定解

昨年のことですが、老人ホーム検索サイト「みんなの介護」のインタビュー企画で「賢人論。」が展開されており、最新版に賢察があったので一部ご紹介します。 www.minnanokaigo.com 鈴木寛さん(東京大学教授、慶應義塾大学教授文部科学大臣補佐官)が「20~30…

読書メモ:すごい私になれる魔法の名言

苫米地英人さんの著作は相変わらず新しいアイデアに富み勇気づけられます。 ゴールを決めれば動ける。悩むのはヒマだからだ。限界を決めてるのは自分のイマジネーション。自己評価が低いから他人の評価が気になる。失敗などというものはないのだ。自信ではな…

ピアノで認知症を予防できるのか

先日自分としては珍しく、映画館に映画を見に行った投稿をしました。 シーモアさんと、大人のための人生入門。主役のピアニスト、シーモア・バーンスタイン(Seymour Bernstein)さんは89歳、見事な演奏をされます。 jimkbys471.hatenablog.com 高齢にもかか…

青学駅伝チームの躍進にみる組織論

ヘルスケアとは直接ないと思われそうですが、医薬品・医療機器のクライアント(前職含め)感じるのは組織能力強化の必要性です。 その点、GEという組織はリーダーシップ、プロセス、仕組、ひっくるめてオペレーティング・メカニズム、経営基盤が強く運用が徹…

テレビは見ない主義。原則は。

見るとしたら 字幕の洋画 NHKのクラシック音楽関連ドキュメンタリー 沖縄特に離島もの ぐらいかな 最近はNHK含め宣伝ばかり 食いもん系は興味なし バラエティは低ギャラタレントのオンパレードなのでつまらない ニュースは取材が楽な事件や事故ばかりで本当…

スマホが通勤を救う

スマホが出てくる前は、通勤時間に何をしていたか覚えてますか? ぼくは郊外に住んでいるので、都心にある会社までの通勤時間はドアツードアでゆうに1時間はかかります。 地下鉄直通なので便利な一方、遅延することもしばしばです。 (ところであの車両間隔…

胸を張っていこう

胸を張るということが大切な意味を持つことをつくづく感じた1週間でしたので書いてみます。 寒いとどうしても首から冷気が入ってこないようにするためか、前かがみになりませんか。 マフラーしてマスクして歩いていても首を伸ばすと冷たい風が入ってくるし。…

究極のヘルスケアとはどのようなものか(試論)

医療は科学の進歩と共に進化を続けていますが、その行き着く先はどこなのか、広くヘルスケア(健康を維持・回復・向上する一連のこととここでは定義します)を見渡したとき、どの方向にどこまで進むのかを考えてみました。 ヘルスケア業界で目に付くホットな…

読書メモ:シルバー・デモクラシー~戦後世代の覚悟と責任~

現時点で自分なりの解決策を見出し自分が解決に参加したいと思っている深刻な問題が所謂「シルバー民主主義」もしくは「シルバー・デモクラシー」である。 先の大阪都構想の選挙結果、およびBrexitと呼ばれた英国の国民投票(その後英国はEU離脱、それもhard…