コンサルタントはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

人工知能でコンサルティングの生産性は上がる

IBMが開発し提供するワトソン・アナリティクス(Watson Analytics)は、データをアップロードするとそのデータから言えることを自動的に分析してグラフを作成したり、分析結果からの示唆を抽出してくれるツールです。

典型的な経営コンサルティング業務は、クライアントの経営課題に関する:

  ①初期仮説構築と検証のための論点の設定

⇒ ②初期仮説検証に必要なデータの収集

⇒ ③論点に基づくデータ分析

⇒ ④データ分析に基づく論点の検証

⇒ ⑤検証結果に基づく問題解決の方向性および施策の特定

・・・といったフローを一般的に採りますが、ワトソン・アナリティクスは③と④を得意とし、場合によっては⑤まで、あるいはデータの質や量によっては、データから帰納的に結論が得られ、その結論の評価まですることができれば、①と②もカバーできてしまいます。

このようなシステムの能力が向上すれば、コンサルティング・ファームの生産性が大幅に向上することは疑いの余地がありませんし、コンサルタントも他の職業同様、今のままでは職を失うことになりかねません。

しかし経営コンサルタントの仕事の本質はクライアントのシニアメンバ(社長や経営陣)の話を聞き、直感や勘や考えをうまく引出し活かすことを促し、変革を起こすことや新しい領域に踏み出すこと、あるいは捨てるべきものを捨てることに関して勇気を与え、組織を強くすることにあります。

決して上記の①~⑤だけがコンサルティング・ファームのやることのすべてではないのです。

しかし、ダメな(本質的な付加価値を生み出さない)コンサルタントは定型的な業務が作業の殆どを占める、つまり①~⑤が主体です。人工知能が得意中の得意とすることは定型化されたタスクの処理ですから、これは真っ先に置換されることになりますね。

人工知能は知性の拡張であると同時に、そのために付加価値をもたらさない単純もしくは定型的な作業から我々の貴重な時間とエネルギーを解放してくれるものと考えなければなりませんね。そうすることで実はコンサルティングの生産性(インプットの価値に対するアウトプットの価値)は上がるのです。人工知能は脅威でも敵でもなく機会であり味方なのです。