コンサルタント=ピアニストはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

クライバーン国際アマコン挑戦記(その1)

今年の6月、アメリカはテキサス州フォートワースで開催された第7回クライバーン国際アマチュアコンクール(7th International Piano Competition for Outstanding Amateurs)に参加してきました!

通称

Cliburn Amateur

です。

今回2度目(前回2011年)の挑戦が終わったので見たこと聞いた/聴いたこと考えたこと記します。

(この記事を書いたのは6/22です)


きっかけ

開催が発表されたのは去年の夏頃だったと思いますが、フォートワースはさすがに遠いしまる1週間超仕事を休むために調整するのも難しいかもしれないと思いつつ、世界最高峰(?)と評されるアマチュア向けのコンクール、それも5年に1回の機会を逃すのも惜しいと思いつつも、ちょうど愛犬を亡くした昨年末に何か自分を奮い立たせる目標を立てなければと思い申し込んだのが1月初旬でした。


当時はほとんどピアノに集中できる精神状態ではなく、スタジオでiPhoneで一発録画した平均律2巻14番とラ・ヴァルスのをオンラインアプリケーションにアップロードするという適当さでしたが、音源審査の結果が判ったのが4/1で通ってしまったという感じです。いい加減ですね。

そうはいってもせっかく事前審査通ったことだし(マイミクさん達ならみなさん普通に通ると思います)、正直なところ前回かなりなめてかかって素落ちしたので、4月末ぐらいに心を入れ替えて、今回は予選通過以上のものを目指し(実は入賞を狙っていた😅)挑みました。

 

準備準備 

直前の1ヶ月は仕事もそっちのけで、直前まで朝練(毎日)+スタジオ練習(平日ほぼ毎日)+レッスン(週1)+勉強会(週1~2)+録音/動画チェックという真面目な音大生なみ(?)の取り組みで追い込みました。

前回までは予選、セミファイナル、ファイナルの3段階選抜だったのが、今回Preliminary、Quarterfinal、Semifinal、Finalの4段階、それもFinalはコンチェルトの楽章(指定された候補曲から選択)という形に大きく変わりました。同じ曲を2度弾いてはならない、というところは変わりません。

 

プログラム

演奏時間はPrelimが8-10分、QFが15-18分、SFが25-28分で、コンチェルトと併せると約1時間のプログラム(repertoireと呼ぶ)になるので結構大変です。ちなみに予選でも視奏してよいことになっており、実際楽譜見て弾いている人も少なからずいます。 

選曲については四期に亘らなければならないということはないのですが、ガイドラインには目安としてPrelimは手に馴染んでいる曲、とあります。 

いつもであればぼくの場合何年も前から弾いている曲を選ぶところなのですが、8~10分という制限時間でコンペに出せるクオリティを担保できるものが無く、大胆にも着手したばかりの厳バリを選びました(実際には10分半なので時間オーバーですが、審査員が認めた選曲なのでOKとのこと)。QFはショパンマズルカ32番(作品50第3)とRavel=Ghindinのラ・ヴァルス、SFはシマノフスキのメトープからセイレーンの島、バッハの平均律2巻23番、それにスクリャービンソナタ第7番「白ミサ」、コンチェルトはシューマンの3楽章、という意欲的で大胆不敵な(と何人かの参加者から言われました汗)選曲としました。

このうち、マズルカ、ラ・ヴァルス、セイレーンの島とシューマンはいずれも公開演奏経験はあるものの、厳バリと白ミサはほぼ新曲だし、そもそもラ・ヴァルスは5月末のステップで「完成にはかなり時間がかかりますね!」と書かれてしまったこともあり、ここ1ヶ月は仕上げるというより何よりとにかく大事故なく弾けるようにする、という低レベルな目標に向け、これまでに無い位(2009年よりも)真剣に取り組みました。その甲斐あって、それなりには形になってきたかと思います。

が、さすがに自分以外どの参加者も、レベルの差はあれどほぼ例外なく手に馴染んでいる感は十分にうかがえる演奏だったので、やはりガイドラインはちゃんと守らなければならない、というのが最大の反省点ではあります。

とはいっても、厳バリ以外に8~10分で手に馴染んだ曲というと(複数曲でも可)、ソナタの楽章抜粋とか(あまり奨められない)、5/5のコンサートで弾いたショパンエチュードか(もっと奨められない)、ショパン舟歌スケルツォ舟歌か(実際今回この選曲が非常に多かったですがこれも奨められない)ぐらいしか考えられないので、これらオプションは捨てました。結果的にはスケ2での予選通過が2人もいたのですが(舟歌勢は前回ファイナリストのJane Dobson Kingを除き全滅)これはむしろ例外的かと思います。

 スケルツォは一応全曲やったことがあるので、制限時間的にはどれでもよいのですが、スケ2かスケ4で挑戦した方が良かったかと少しだけ後悔しています。。。 

 

下馬評

どのコンクールでも下世話なことと思いつつ自分も気にしてしまうのが誰が優勝候補かという話題です。

前回優勝のChristopher Shihは出場しない(優勝者は参加できない)ので、前々回(2007年)3位、前回2位のClark Van Griffith(地元フォートワース在住)、それに今回やっと出場資格(35歳以上)を得て満を持して参加するThomas Yu(カナダの歯医者)、前々回・前回ファイナリストのKen Iisaka(飯坂健、バイリンガル、カリフォルニア在住)の3人がメディアや参加者間の話題に上るところでした。

今回はできるだけ多くの演奏をライブで聴こうと思ったのですが、厳バリができていないこともあり、練習室で練習したりなどして30名程度しか聴けなかったのですが、上記3人のうちThomas Yuの切れ味の良さ(カナダの作曲家McIntyreの曲のせいでもありますが)と安定感には前評判どり「これでアマ?!」と思わせるものは十分にありました。前回優勝のChristopher Shih(医師)といい勝負かと思います。

ちなみに前回3位のBarry Coutinhoはラヴェルトッカータやハン狂2番、平均律2缶11番をノリノリでほぼ完璧に弾き聴衆を熱狂させ、彼も医師だったことから、参加者の間では「MDじゃないとだめなのか?!」的な声も上がっていました。前々回優勝のAndrew Mays(アラバマ)も医師だったということもあったのですが。

もちろん医師だから云々という因果関係はなく、かといって統計的に有意な相関がある訳でもなく単なるジョークです。知能指数の高さや所得水準(アメリカの医師の平均報酬は高いですね)というのはもちろんファクターの一つではあるかとは思いますが、当然ながら十分条件にはほど遠いものです。

今回の下馬評に上がった上記3名(Clark、Thomas、Ken)以外に、実際にライブで聴けた中で強者と感じたのはMs. Deirbhile Brennan(アイルランド)、Simon Finlow(英/米)の2人です。

長くなったので(その2)に続きます。