数学史上未解決の問題は数多くあると言われていますが、なかでも特に難しいとされ、アメリカのクレイ数学研究所が2000年に発表した7つの問題は、解決に1問につき100万ドル(1.1億円)の懸賞金がかけられ、ミレニアム懸賞問題(millenium premium prize)とされています。
- ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題 (Yang-Mills and Mass Gap)
- リーマン予想 (Riemann Hypothesis)
- P≠NP予想 (P vs NP Problem)
- ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ (Navier-Stokes Equation)
- ホッジ予想 (Hodge Conjecture)
- ポアンカレ予想 (Poincaré Conjecture)
- バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想(BSD予想) (Birch and Swinnerton-Dyer Conjecture)
このうち6番目のポアンカレ予想はロシア出身の数学者ペレルマンにより解決され、2010年にクレイ数学研究所が100万ドルの授与を決めたものの、ご本人が受け取りを拒否したと伝えられています。
ぼくも大学では理系専攻で、教養学部時代はまじめに解析や代数のクラスをとっていたのですが、それがどういう問題なのか理解していないものばかりです(汗)
まず1番目のヤン-ミルズ方程式・・・ですが、Wikipediaにある説明によると
「任意のコンパクトな単純ゲージ群 G に対して、非自明な量子ヤン・ミルズ理論が 上に存在し、質量ギャップ Δ > 0 を持つことを証明せよ」
・・・だそうです。
これ読んで「ふむふむ。そういう問題ね」といえる人、はい手を挙げて~!
尊敬します!
未解決の6つの問題のうち、おそらく一般的にもっとも注目されているのは(それぞれの学界ではまた別の話ですが)2番目のリーマン予想でしょう。
これが解決されると何がすごいのか?
素数の謎が解明されるらしいです。
素数は2,3,5,7,11,13…と自然数集合において無限に続くことが証明されていますが、ではどういう規則性があるのか、厳密にはわからないのです。
問題の記述は(Wikipediaさんありがとう):
「複素数全体 (s ≠ 1) へゼータ関数を拡張した場合、ζ(s) の自明でない零点 s は、全て実部が 1/2 の直線上に存在する。」
・・・だそうです(汗)。
でもなんだか魅惑的な響きがありませんか?
NHKスペシャルでも取り上げられていますし、多くの著作も出ています。
次に有名なのは、3番目のP≠NP問題でしょう。
これは(Wikipediaさんありがとう):
「計算複雑性理論(計算量理論)におけるクラスPとクラスNPが等しくない」
という予想だそうです。
平たく言うと、ある問題をコンピュータで解くとき、その問題の複雑さが2倍になったときに答を出すのに必要な時間が2の多項式(二乗とか)で表せる計算時間になるか否か、ということです(いやいや厳密にはもっとちゃんと定義してありますけど)。
なんとなく身近になった気がしませんか。
だけどまだ(少なくとも公には・・・)解決していないのだそうです。
社会的に最も意義があるのはこの問題らしいです。というのは現代暗号理論と直結しているからで、情報セキュリティは暗号によって担保されていますから。
まぁでも個人的には人類の知の最前線がここに象徴されているとおもうと、実用的か否かははっきり言って二義的と考えています。
それよりも、この6つの未解決問題よりも、ひょっとしてもっと面白い難問があるかもしれないとおもうとそっちの方がはるかにワクワクします。