きょうはピアノコンクールの予選です。
初めて出るコンクールなのでレベルもわかりません。
良く参加しているコンクールだと必ず知り合いがいるので気も和むのですが(ある程度は)、きょうは初めて参加するコンクールで、知り合いが出ているかどうかも事前にま全く情報がないのです。
こんなことはひさしぶりです。
しかしコンクールとはそもそもそういうものであってよろしい。
自分がコンクールに出る目的は、緊張する大舞台(それがコンクールであろうがリサイタルであろうが)に参加し、肥えた耳の方々の前で自信を持って演奏を披露することができるか、この試練を受けてまた一段成長することなのです。
なので、顔なじみばかりで緊張感のないステージ(いや顔なじみには凄腕のピアノ弾き揃いなので必ずしもこれは正しくないかも)でなんとなく弾くというのは目的に即さないのです。
きょう弾く曲はスクリャービンのピアノソナタ7番「白ミサ」作品64です。
もうかれこれ1年間弾きこんでおり、コンクールやコンサートで弾いたことも通算で10回はあるのでステージに出すことは慣れています。
今回の演奏で特に重視しているポイントは2つです:
- 初めてこの曲を聴く人にも「いい曲だ」と感じてもらえること
- 自分の音をよく聴くこと
1は難題ですが音楽である以上当然のことです。わけのわからない現代音楽に普通は聴こえてしまう曲なのです。しかし、作曲家であるスクリャービンはこのソナタを明確なコンセプトと精緻な判り易い構造で作曲しています。それゆえ、決して無理な注文ではありません。
2は今回に限らずいつも注意して注意したりないポイントです。ピアノのソロというのは相手がいないだけに多少なりとも独善的になりがちです。ステージ上で自分が聴いている音とホールの客席で聴く音は違います。また、コンクールなどでミスしないようになどと余計なことに神経を注いでしまっては自分の音を聴くこともできません。要は可能な限り客観的に、かつ演奏に集中する、と言い換えていいかもしれません。
今回は予選ですが何人通過するのかさえもわかりません。が、結果にはこだわることなく、自分がきょうまた一段成長することを唯一の目的に臨んできたいとおもいます。