ものづくり という表現が嫌いだ。
逃げを感じる。
未だに製造の現場や経営者から頻繁に聞くこの言葉。
いいものを作れば売れると本気で信じている人たちがいる。
そもそも「いいもの」を測る基準は何だ。
実際売れない「いいもの」が溢れている。
誰にとってどういいものなのか。
マーケティングの4P/4Cのバランスがとれていて初めて「いいもの」なのだ。
「匠の技」などではない(そういう場合もたなにあるが)。
ぼくが知る限りものづくりの本質を適切にせつめいされているのは藤本隆宏先生だ。
https://www.panasonic.com/jp/corporate/technology-design/ptj/pdf/v5503/p0202.pdf
産業革命以降の分業の弊害を打破し、かけ声ではない真のものづくりを浸透させるのは不可能ではないが時間を要する。
ものづくりはもはや信仰となっている。
異教にコトづくりというのがあるが布教はうまくいっていないらしい。
ではどうするか。
中から変えるのだ。
「いいもの」ではなく「とてつもなくいいもの」を作ることを目指そう。
よく聞く話に営業が製造と対峙して「お前らがロクなもの作らないから俺たちが苦労するんだ」「いやそれなりのものを売ってこそできる営業だろ!」というのがある。どちらも間違ってはいない。
とてつもなくいいもの作ったらどうなる?
たちまち評判は広まり、営業しなくても飛ぶように売れる。
営業いらない。
はて営業マンこまったね。
しかし本当にいらない?
いつまでもその製品売れる?競合が類似品出したら?新製品開発しなくていい?新製品ネタは誰が出す?
はい営業の役割わかりますね。
営業でもマーケティングでも市場企画でも部署名はなんでもいい。
何を誰のどんな欲求(あえてニーズとかウォンツと言わない)を満たすためにどう作るか。この問いを設定しヒントを得ること。
日本企業はこの強みをさっさと本気で培わないと弱者の戦略しか採択できなくなる。
これがものづくり信仰の罠