高齢者が前期と後期に分けられたと思ったら今度は准高齢者(なぜ「準」ではなく「准」なのか)、70歳以上の医療費自己負担が1割から2割に上げられる、などじわじわと高齢者の負担が上がる傾向にある国の政策。今度は混合介護解禁に向かうとか。
もっと大胆にやらないと2025年問題に間に合わないのではないか?!
高齢者は金を持っているのに!
しかも今の高齢者世代は現状の厳格な資格要件が適用されていない頃に年金に加入ししっかり(保険料を払っていなくても)年金を受け取っている方々も少なからずおられるとか。
世代間抗争勃発寸前かもしれないこの状況。
そこで調べてみました。
高齢者がどれだけ金をもっているのか。
政府が発表する家計調査です。
世帯主の年齢階級を20代以下から70代まで6階級に分け、それぞれの年齢階級の平均貯蓄額と平均負債額、それに貯蓄から負債を引いたネット(ネット金融資産)をみてみました。
案の定、30代以下はネット金融資産がマイナス、つまり貸借対照表的には債務超過です(金融資産以外の資産は除かれているのですよねこれは確か)。
40代でかろうじてネットでプラス。60代、70代はたっぷり貯蓄ありますね。この2階級合せてなんどネットで500兆円近くあります。
こういう判り易い統計が新聞にもTVにも出ないので自分で計算してみたわけですが、これすごいですよね。
日本の公的年金制度は確定拠出ではなく確定給付なので、年金にしても勤労世代が今払っている保険料は将来の自分が受け取る訳ではなく、いまの年金受給者がもらっているのです。
年金資金を運用しているGPIFの兆円単位の損失が何度か報じられていますが、やばいです。そもそもパッシブ運用に制限されていたはずの運用方法が、アクティブ運用もできるようになっているというではないですか。
しかしこの計算によれば、財源はあるのです。高齢者の貯蓄です。たっぷりあります。世代間資産配分の仕組を構築すれば問題は解決するのです。
このままのんびり構えていてオレオレ詐欺の餌食になってこの国にお金が回らなくなるより遥かに良いではないですか。どの世代もハッピーです。
ただし最大の阻害要因があります。シルバー民主主義です。高齢者の資産を財源にする、すなわち高齢者の虎の子を引きはがすような政策を進める政治家が当選できるでしょうか。
次回はシルバー民主主義脱却の方法について考えてみます。