コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

訳しにくい英単語の理解で英語力アップ

英語が母国語である人と話していても通訳をする局面でもそうですが、何となくはわかっていても自分は使えない或いは日本語にし難い英単語というものがあります。

しかしそれらの単語は、英語でのコミュニケーション力を上げる為、相手に微妙なニュアンスを正確に伝えるには重要なボキャブラリーであり、何より相手が意味せんとすることをきちんと理解するには理解が必須です。

それらの単語には例えば以下のようなものがあります:

 

  • accountable / accountability
  • align / alignment
  • available / availability
  • awkward
  • commit

accountableは頻出です。日本語ではしばしば「説明する責任がある」と訳されますが、これではぴんとこない方も多いかとおもいます。それもそのはず、責任の所在について日本と欧米で考え方が歴史的に異なるからなのです。

これについてはこの記事で判り易く説明されています。

www.huffingtonpost.jp

下手に説明責任などというより、違う概念として「アカウンタビリティ」と呼び、最終的に自分に帰属する責任、と解釈した方がよいかもしれません。

 

align / alignmentも外資系企業(筆者が務めていたところでは少なくとも)頻繁に用いられる表現です。外資系の幹部の会議などでは、日本人同士でも(決してかっこつけているのではなく)「アラインする」と言っていることもあります。

どういう文脈で使われるかというと、部門間の方向性が異なることが表面化した場合に、当然ながらそれら部門には各々ミッションがある訳ですが、そのミッションに即して双方の(異なる)利害ができるだけ合致するように話し合ったり、協力し合ったりする、という意味で使われることが多いです。

 

availableもカタカナでそのまま「アベイラブル」と言ってしまうことが多いです。自分の時間がそこは空いているよ、とか、それができるスタッフがいるよ、といったときに使える便利な単語ですが、日本語だと局面によって表現が変わります。IT用語ではavailabilityを「可用性」としていますが、そもそも「可用性」の方が難しいですよね。少なくとも個人的には可用性という単語をIT以外で使ったことも聞いたこともありません。

 

awkward。これは筆者が米国のビジネススクールに留学した際に最初にニュアンスが判らず苦労した単語です。

英和辞書には様々な日本語が充てられています:

https://eow.alc.co.jp/search?q=awkward

不器用な、下手な、ぶざまな、武骨な、野暮な、洗練されていない・・・などなど。まあこれだけ多くの種類の日本語が充てはまること自体が、そもそも日本にない物事の捉え方ということを表わしているのだと思います。いずれもネガティブな意味であることは共通しているのですが、「なんかこうイケてない」「なんかちがうんだよなー」みたいな風に口語的に言った方が近いかもしれません。

 

commitはもう「コミット」として日本語になってしまっていますね。RIZAPのおかげでしょうか。意味もほぼ使われているとおりでいいのではないかとおもいます。考え方としてaccountableと共通のところがあるとおもいます、責任ということに関して。

 

例として挙げた単語は、単に和訳に困るという問題ではなく、そもそも西欧と日本の考え方の違いが表出しているという意味で挙げてみたものです。

コミュニケーションの大前提になるのはお互いの立場の理解ですから、異文化コミュニケーションにおいては、こういった考え方の違いを理解しておくことがとても大切だし、それによって円滑に、むしろ(前提をあえて明らかにしようとせず話す)日本人同士よりも分かり合える場合もあるのではないかと思います。

日本人のコミュニケーションはむしろ高度なのです。