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コンサルタントはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

組織内の閉塞感を打破する方法

仕事術 日本人 コンサルティング

コンサルタントとしてこれまでおそらく100社近い企業の組織の内部を、経営トップから現場まで、銀行、商社や製造業と業種を問わず、また10兆円超から数十億円まで売上規模も様々な企業について真近に見てきた訳ですが、共通しているのは、はびこる閉塞感です。

これは日本企業でも外資系企業でも程度の差こそあれ真実です。

閉塞感、すなわち状況に悲観的になり、出口が見えない、明るい展望が描けない、したがってやる気が活力が出ない、報われない感が充満しています。

閉塞感の充満・蔓延は企業にとって大きな損失です。にも関わらずその状況が存続することを、優良とされる企業でさえ許しているのは何故でしょうか。

 

理由は二つあります。

 

  1. 損失が計測できない或いは可視化できない
  2. 閉塞感を抑制或いは解消する能力がない

 

では企業を想定して解決の方向性を述べます。方法論の詳細は長くなるので割愛します。

まず一つ目の、閉塞感による損失すなわち生産性の低下による売上減少(機会損失を含む)およびコストアップを計測するには、その企業の企業戦略をゴール設定に基づき組織能力ポテンシャルを最大限発揮した場合の業績と現状の業績の差異をとれば良いのです。

このゴール設定が重要です。月並みなあまりに現実的なゴールではいけません。また、あまりに壮大過ぎて、銀河系を支配するなどといったものでもいけませんし、ポエムでもだめです。

たとえば、「地球と人にやさしい会社」では到達点がぜんぜんわかりません。スローガンにしても個人の行動がイメージできません。環境方針にしてもあいまい過ぎです。

よくみられる「○○ソリューション・プロバイダー」もNGです。およそ企業の営みは須らく何らかの問題解決のためにあるのですから。

閉塞感を打破するには、従業員がワクワクするような大義や夢があり、市場機会(チャンス)が見え、かつ自分の組織の強みが活かせるものでなければなりません。ここに一般普遍解はなく、個々の企業に即した個別特殊解であり、ゴール設定にはきわめて知的な作業が必要なのです。

 

次に二つ目の課題である「閉塞感を抑制或いは解消する能力がない」の解決は、まずは一つ目のゴール設定と自社のポテンシャルの計測をしっかりとやることです。そして、ゴールに到達するには、何をどういうステップで進めるのか(つまり戦略ですね)、戦略を打ち手(施策)に具体化し、施策の実行を徹底するための進捗管理や業績・人材評価の一連の仕組やプロセスを、全体として整合性がとれ、有機的に機能するように設計し運用することです。この一連の仕組・プロセスの全体を、ぼくは「オペレーティング・メカニズム」と呼んでいます。

このオペレーティング・メカニズムは企業の規模の大小に関わらず、きちんと構築・運用されている企業は極めてまれです。しかし、決してスーパーマンのようなリーダーや社員が必要なものではなく、要素分解すれば当たり前のことをきちんとやるに過ぎないのです。そして、これがきちんとできている企業は、外から見てもなかなか判りにくいものですが、できていない競合との差は中期的には如実に現れます。

競合優位性の源泉とは、簡単に真似(コピー)できるものではないことが優れています。製品などリバースエンジニアリングすれば真似されるリスクが高いです。

持続可能な企業として中長期的な成長、事業価値の向上を図る最も有効な手段は、このオペレーティング・メカニズムの構築・運用なのです。

また、これができている企業はM&Aや提携においても、自分の能力の限界をしっかり認識でき、また成長のために何が必要であるか、市場のどこにチャンスがあるのかも他社よりはっきりと見えているため、シナジーを創出することが容易です。買収された企業や提携パートナーにとっても、この会社から経営の強さを学ぶことができるのです。

 

以上述べてきたように、閉塞感を打破するということは強い企業を作ることと同義でもあります。目下進めているコンサルティング・プロジェクトでもあらためてこの重要性が論点になっており、目下具体化中です。近いうちに本を書いてみようと思います。