コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

自分に嘘をつくな ~自己進化・上達最大の阻害要因を取り除け~

仕事でもピアノでも減量でも或いはスポーツでも最も重要なことは自分に嘘をつかないことだ。

自分に嘘をつくことは自己進化を遂げる上で、自分が取り組んでいることにおいて上達する上で最大の阻害要因となる。

 

なぜか。

 

自分に嘘をつくということは、自分のその時点で直面している課題から目を背けることだ。自分の課題が認識できなければ、何をすればよいか、最も適切なアクションをとることができない。仮にアクションをとっても効果は低減する。

したがって、先ずは進化・上達に必要なアクションを特定するために、課題を正確に把握することが必須の条件となる。

自分に嘘をついてなどいないと思っているとしたら、実際には自分に嘘をついている可能性が高い。

それは人間の脳の特性によるものである。決して嘘をつこうと思わなくても知らず知らずにの内に、よほど意識して客観的に自分の状態なり能力を把握しようと思わない限り脳は嘘をつくのである。決して自分に悪気はなくとも。

その脳の特性が認知バイアスと呼ばれるものである。

自分に嘘をついてしまう(=自分を誤って把握してしまう)認知バイアスは複数ある。認知バイアスについては以前の投稿で取り上げた池谷先生の解説がとてもわかりやすい。 

 

jimkbys471.hatenablog.com

 

たとえば:

「非対称な洞察の錯覚」:これは他人が自分を理解するより自分が自分を理解する能力の方が高いと錯覚することである。よく「自分のことは自分がいちばんよくわかっている!」と豪語する人や発言をみかけるが、これは非対称な洞察の錯覚に他ならない。これを避けるには、ビジネスであればコンサルタント(たとえば私)、ピアノであればピアノの先生(私は複数の先生に習っているしアマチュアピアニスト友人の評価も受ける)、スポーツであればコーチ、あるいはキャリアカウンセラー、等、自分を客観的に評価してくれる存在に意見を求めることだ。

ピアノであれば、自分の演奏を、練習でもいいから録音したり録画したりして、恥ずかしいと思わず冷静に聴くことだ。

このとき、ミスタッチばかりに気をとられないようにする。演奏の良し悪しはミスタッチの有無だけで決まるものではない。音楽として守るべきポイントを押さえているか、汚い音になっていないか、自然な流れになっているか、意味のある変化が表現できているか、等様々な角度から、客観的に能動的に聴き分析するのである。

練習においても嘘をつかないように気をつけなければならない。

特定の箇所がうまく弾けない(或いはより一般的にはあることが特に苦手である)とする。これは単純に繰り返しやればできるようになるというものではないし、仮にできるようになるとしても非効率で、10回やって1回うまくいったからといってその後必ずうまくいくものでもないし、仮に10回やって10回うまくいったからといって11回目に失敗しないとも限らない。なぜできないのかその原因を特定し、その原因を取り除く方法の仮説を立て、それを実践して仮説を検証し、その方法でうまくいかなかったら別の方法の仮説を立て、またやってみる。また、ピアノやスポーツといった、頭脳と運動の高度な統合が求められること(或いは仕事でも熟練が必要な作業はおしなべてそうだが)、意識下の変化が求められることにおいては、植物に綺麗に花をさかせるように、あせらずじっくりと正しい練習・鍛錬を繰り返すことも必要である。

 

同じことを単純に繰り返しているように傍目からは見えても、このように仮説検証型の方法を意識している練習・鍛錬は、「質量転化の法則」が作用し、効果的に上達・進化することを保証する。

自分に嘘をつかない。嘘をつくのは自然なことだ。だが自然にまかせていては進化も上達も遅れる。人生短いのだ。早く上達すれば楽しいし、進化すれば自分を一段高いところに引き上げることができ、充実する。