コンサルタントはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

読書メモ:アマゾンのロングテールは、二度笑う 「50年勝ち組企業」をつくる8つの戦略

尊敬する戦略コンサルタントである鈴木貴博さんによる本です。

鈴木さんの本は以前このブログでも紹介した「シンギュラリティの経済学」が最新刊ですが、このアマゾンのロングテールを題材に企業の寿命を延ばすための戦略の考え方を判り易く説いたこの本はもう2006年と10年以上前に出版されたものでありながら、そのエッセンスは輝きを失うところがありません。 

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この本は、(当時)戦略の失敗をしている日本の優良とされる企業(イトーヨーカドー等)を注意深く題材として選び、ケーススタディ的にその実態を描き、「ではどうすればいいのか」の処方箋も書かれています。

果たして10年後の今日、現在の企業はここから学んでいるのでしょうか。

コンサルタントである自分にとってもあらためてメモしたいポイントがあったので、以下に列挙してみたいとおもいます。なお、これらは引用ではなく、自分自身の言葉で言い換えかつ示唆を加えています:

  • 会社の寿命30年説というのはある事業の寿命に起因している。どの事業にも儲かる時期と儲からなくなるタイミングがある。事業環境は常に変化する。会社の寿命を延ばすには寿命を迎える事業への依存度を下げ新たな事業に軸足を十分早いタイミングで移さなければならない
  • 戦略とは会社を生き残らせるためにあるものであり、ビジネスマンが磨くべきは既存の組織の中での立ち回り方や英語力などのスキルなどよりこの戦略的思考能力こそが最も重要である
  • 企業にとって重要なのは自らにとって都合よく収益をあげることができる土俵を選ぶことであり、その次にその土俵で戦うことに資源を集中することである
  • 能力はあってもせいぜい五段どまりに終わってしまう棋士は「負け筋」で勝つ研究をやってしまう。日本企業は優秀な人材を抱える企業ほどそれをやってしまう。足場の悪い土俵で戦い続けている日本企業が多い。負け筋で勝つことに腐心していては最終的には勝者にはなれない。優秀な人材を抱える企業ほど環境が悪い方向に変化する際に脆い
  • ランチェスター戦略とは同じ戦いをするなら勢力の大きな軍が有利であり、しかも成果の差は勢力の差よりも大きく開く
  • 戦略とは差別化という理解をしていると大きく間違えることがある。トップ企業には同質化という手がある。二番手以下がトップの同質化戦略の前に敗れ去っていくことは数多く例がある
  • 何も捨てずに何かを得ようとすることはトレード・オンである。これは難しい。戦略とは捨てること(集中すること)である

これらは自分のクライアントにとっても、また自分が勤めるファームにとってもとても重要な示唆のある事柄ばかりです。