先日BS2で放映されたソコロフ(グレゴリー・ソコロフ)の弾くベートーヴェンの初期ピアノソナタを聴いています。
ソコロフは現代最高のピアニストと言われています。そして彼はその呼び名に相応しい唯一のピアニストだと思うのです。
彼は飛行機嫌いで知られ、残念ながらコンサートツアーはヨーロッパ限定です。
また、ソロに徹する主義で、協奏曲や室内楽はほとんど手掛けません(まったくやらないということではないです)。理由は、完全に自分でコントロールしたいからということです。徹底しています。そして彼の演奏はその言葉を裏付けています。
単にメカニカルに完璧であるということだけでは当然なく、その色彩感、躍動感、音楽の構成、どの側面をとってもすべてはその音楽のポテンシャルを最大限に発揮し、音楽そのものが持っている本質的な「魔法」を実現し聴衆を虜にします。
CDもたくさん出ていますし(ぼくは10枚以上は持っています)、YouTubeにも音源が多くあるので彼の素晴らしさの一端を垣間見ることはできますが、できればぜひ一度はわざわざヨーロッパに行ってでもライブで聴きたいピアニストです。
これは最新の(今年の)ローマでのリサイタルの様子です。
そのほかぜひ聴いていただきたい演奏は、スクリャービンのソナタ第3番、ショパン前奏曲集作品28、ベートーヴェンのハンマークラヴィーアとソナタ9番、10番、17番、バッハのゴールドベルク変奏曲、クープランのティクトクショク、バッハのパルティータ第6番、ショパンのピアノソナタ2番・・・、枚挙に暇がありません。。。
ベートーヴェンの初期ピアノソナタは、自分も小学生から中学生にかけて特に2番や1番、4番、7番はよく弾いていました。
それだけにどこか郷愁を感じるところがありますが、それなしでも傑作揃いだと思います。
1楽章だけ弾かれることが多いですが、個人的には2楽章や4楽章が素晴らしいと思います。
特に作品2-2の2楽章は、古典派ピアノソナタの全ての楽章の中で最も好きな楽章の一つです。
久しぶりにあらためて弾いてみよう。