第15回クライバーン国際ピアノコンクール、4日間にわたるファイナルラウンド3日目はいよいよピアノ協奏曲です。
1日目、2日目についてはそれぞれおととい、きのう書きました。
3日目はファイナリスト6名の半分の3名がそれぞれ選択したピアノ協奏曲をスラトキン指揮フォートワース交響楽団と熱演を繰り広げました。
Yury Favorin (ロシア、30歳)
プロコフィエフ: ピアノ協奏曲第2番 作品16 ト短調(PROKOFIEV Piano Concerto No. 2 in G Minor, op. 16)
Kenneth Broberg (アメリカ、23歳)
ラフマニノフ: パガニーニの主題による狂詩曲 作品43 イ短調(RACHMANINOFF Rhapsody on a Theme of Paganini, op. 43)
Yekwon Sunwoo (韓国、38歳)
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第3番 作品30 ニ短調(RACHMANINOFF Piano Concerto No. 3 in D Minor, op. 30)
ファボーリンは、この曲はもともと特に1楽章はその10分近くの長大なピアノソロ(カデンツァ)があり見せ場ではあり、ピアノが前面に出る曲ではあるのですが、そればかりが目立つと協奏曲としての醍醐味が薄くなってしまいます。強靭なテクニックは既にソロでアピールできているので、オケとの対話が見たかったのですが少し影を潜めてしまいました。
ブロバーグはすっかり聴衆もオケも味方につけたようです。個人的には好きな曲ではないのですが、いい演奏だったと思います。
サンウは今日もスターでした。ソリッドな曲作りとメカニック、オケとの一体感、ダイナミックレンジの広さと表現力、申し分ありません。優勝候補筆頭です。
明日はいよいよファイナル4日目、そしてクライバーン国際ピアノコンクール2017の最終日、授賞式も行なわれます。
明日の演奏者、演目と演奏時間です:
日本時間午前5:00(現地時間6/10午後3:00)
RACHEL CHEUNG(香港、25歳):ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番作品58ト長調(BEETHOVEN Piano Concerto No. 4 in G Major, op. 58)
日本時間午前5:45(現地時間6/10午後3:45)
GEORGY TCHAIDZE(ロシア、28歳):プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番作品26ハ長調(PROKOFIEV Piano Concerto No. 3 in C Major, op. 26)
日本時間午前6:45(現地時間6/10午後4:45)
DANIEL HSU(アメリカ、19歳):チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番作品23変ロ短調(TCHAIKOVSKY Piano Concerto No. 1 in B-flat Minor, op. 23)