京葉銀行文化プラザという素晴らしい音楽ホールを有する施設の存続が危ぶまれています。
このホールは719席を有し、自分もここのスタインウェイのフルコンサートグランドを弾いたことがありますが、都内有数のホールにも決して劣らない、弾いていても聴いていてもほれぼれする音楽施設です。
このホールの概要についてはここに詳しく書いてあります。
https://www.city.chiba.jp/shimin/seikatsubunka/bunka/plazahaishikankei/documents/shiryou.pdf
そもそもは日本郵政が17年前の2000年2月に「ぱ・る・るプラザ千葉」として建設し開業したもので、その7年後の2007年には千葉市が20億円(土地および建物)で取得しています。筆者は建設・不動産業界にいたこともあり、不動産評価についても厳しい目で見るのですが、この売却に関して巷で言われるダンピングというのは、建設に270億円を要している点からしても事実のようです。
その後、9年前の2008年に京葉銀行が命名権を取得し、現在の「京葉銀行文化プラザ」となっています。
7年前の2010年から施設のあり方について検討が開始され、当時の外部評価委員の意見は半数(といっても4名中2名ですが)が「民営化」を主張しました。
4年前の2013年のあり方検討では、独立しての採算確保は困難だとし、公共性の高い建物としてのあり方を検討する方向で結論が出ています。
ところが、今後の施設改修に5年間で10億円の設備投資が必要と試算されたことから、行政(つまり千葉市)としても財政負担を軽減するため、売却する方針を決定し、昨年10月にパブリックコメントを求め、この2月にその意見を公表しています。
これによると、48件のコメント中27件が存続を求めるとしていたのですが、それでも千葉市は今年度末を以て施設廃止の方針を決めてしまいました。
そして現在は購入者(千葉市が売却)を募集しようとている状況です。売却方針は音楽ホールを向こう10年存続させることを条件づけています。最新の熊谷千葉市長のTwitterにあります。
京葉銀行文化プラザは音楽ホールを10年存続する条件で売却手続きをすることとしています。記事では「未だに買い手が見つからず…」とありますが、まだ募集もしていません。既に問い合わせも複数あり、ご心配するようなことにはなりませんのでご安心下さい。 https://t.co/SUpNxw39C0
— 熊谷俊人(千葉市長) (@kumagai_chiba) 2017年6月7日
市長が「ご安心ください」と仰っているので安心したいところではありますが、この手のハコモノの話はオーナーが変わってうまくいった話をあまり聞かないのではなはだ不安材料は残ります。