コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

読書メモ:負けを活かす技術(為末大)

最も尊敬しまた注目する日本人のひとりが為末大さんです。

為末さんは、陸上男子400mハードルの日本記録保持者で、世界選手権で2度銅メダルを獲得、オリンピックにも3回出場されている世界的なアスリートです。

為末大 - Wikipedia

男子400mハードルの日本記録47秒89は為末さんが16年前、法政大学在学時代の2001年8月10日に樹立したものですが、未だに破られていませんし、破られる気配もない大記録です。

トップアスリートというと才能に恵まれ運に恵まれ環境に恵まれというイメージをつい抱きがちですが、決してそんなことはないことが為末さんの近著を読むとわかります。

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著者の為末さん自身が重要なセンテンスは太字にされていますが、その中でも特にメモしておきたい、そして座右の銘にしたい記述は:

  • 「必ず人が感謝するとか、それがいつかどこかで返ってくるということを信じ過ぎてはいけない」
  • 「努力はまったく等価交換ではない」
  • 「払っている努力自体に、すでに報酬が潜んでいるのが、スポーツだと僕は思っている。少なくとも、明確な目標に向かって、日々をいききと生きるという報酬がすでにある」
  • 「自分の欲求に嘘をつき過ぎてはいけない。でも、それに自分自身を染め過ぎても危ない」
  • 「孤独になったとしても、実は思ったほどの寂しさはない、ということも知っておくだと思う。むしろ、僕は気持ちがラクになった。孤独になったことで、清々しい気持ちになれた」
  • 「僕に一番力が出たときは、のびのび楽しくやったというより、ぐっと圧力がかかっていて、最後の最後で開き直れたときだった」
  • 「そもそも、勝負の瞬間には、実はプレッシャーはないのである」
  • 「シリアスになり過ぎない、かっこつけ過ぎない、いい人でい過ぎないことが大切」
  • 「人からの批判は跳ね返しやすいが、期待は跳ね返しにくいものだ」
  • 「いい集中の状態というのは、元来、エゴイスティックなものである」
  • 「スランプにはまらないということは、変化していないということである」
  • 「未来や過去を意識せずに、今できることをやろう、と考える。余計なことや概念を捨てるようにする」
  • 「自意識というのは、自分を客観的に眺めていることだが、その自意識が極めて薄くなって、ただひたすら行為に集中している」
  • 「どこまで行っても、人生は賭けである」
  • 「スランプに入ったときは、よくしようとはするが、必ずよくしなければいけないとは思わないようにする」
  • 「勝ったところで、実は何も解決しないからである」

 

これまでわだかまっていたことが、これらのことばで急に氷解したのみならず、なんだか意欲を喪失し、疲労感や閉塞感に苛まれてきた自分が急に楽になり、目の前が開けたような気分にいまなっています。