コンサルタント=ピアニストはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

歩いて医療費削減~メッツ健康法

世の中の健康法の多くは「疑似科学」です。「~が健康に良い」は昔から次から次へと出てきますし、いわゆるトクホも機能性表示食品にしてもそうですが、実は根拠(エビデンス)が乏しい「疑似科学」に過ぎないものがほとんとです。

そんな中でじむが注目している、エビデンスが構築されている健康法があります。

近年注目されている健康法に、メッツ健康法というものがあります。

www.fod-nsystem.com

メッツとはMETs(metabolic equivalents)すなわち代謝当量で、何と当量かというと運動ですが、ここでいう運動とはスポーツではなく、日常生活の中の身体活動が基本です。安静時の代謝(消費カロリー)を1とした場合に、運動強度が2倍であれば2メッツ、3倍であれば3メッツと計算します。運動強度は大きく低中高の3分類で、低強度は1~3メッツ、軽い家事、ゆっくりとした散歩、ゲートボールなど、中強度は3~6メッツ、早歩き、山歩き、やや重い家事、高強度は6メッツ以上で、ジョギング、水泳、テニス等が該当します。

これはKPIですが、健康法としての意義は生活習慣病(糖尿病、高血圧等)の予防と運動強度の定量的な関係を導いたところにあり、この根拠には群馬県中之条町の65歳以上の住民5,000人を対象に約15年間にわたり、活動量計を用いて継続的に調査・分析を行なった結果に基づいており、実際に中之条町においては、9割以上の人が高血圧や糖尿病の有意な改善がみられ、医療費は3割削減、月当たり1万円の低減がみられたということです。

予防する対象によって運動強度は変わるのですが、最も基本となるのは、1日8,000歩、中強度の運動を1日20分行なうということです。

歩くことの健康維持・向上への意義は世界的にも認められる潮流にあり、海外の医療保険会社は、活動量計で計測した歩数や運動量を以て保険料のディスカウントを行なう商品設計を検討しているところもあるようです。

 

メッツ健康法と近いものに、筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻教授の久野譜也さんの研究があります。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/iken_koukankai/dai2/siryou2.pdf

これは1年半前の2015年11月に首相官邸での会議に久野先生が提出されたものですが、この最後のページに、0.061歩歩くことで医療費が1円削減されるという研究結果があります。

日本の医療費は約40兆円ですが、これが2025年までに60兆円に膨れ上がるというのが政府の試算であり、これは財政破綻に直結します。つまり20兆円(あるいはそれ以上)削減しなければならないのです。税収が劇的に増える要因は現実的ではないからです。

歩くと健康になり疾病や介護が予防できるという因果関係ではなく、あくまでも相関関係ではあるのですが、この極めて判り易いしかも一定の根拠のある算式をもとに、20兆円削減するにはどれだけ歩かなければならないか簡単に計算してみましょう。

日本の成人人口は約1億人です。

20兆円を先の式「0.061円=1歩」に代入すると、歩数に換算して328兆歩となり、成人一人あたりでは年間328万歩になります。

これはとてつもない歩数ですがあくまで年間です。1日当たりにすると8,900歩ほどになります。1日5,000歩普段歩いている人は追加で8,900歩、すなわち13,900歩歩いてくれということになりますね。ただこれは若い元気な人だけでなくかなりご高齢の方や病気の方、障がいのある方も含むので、かなり高いハードルです。足腰を痛めている人にやたらに歩けといっても却って身体を害することになります。

しかしながら、メッツ健康法にしても久野先生の研究にしても共通しているのは、医療費の負担が大きい生活習慣病の多くは、日常的に歩くことで予防できると一般的に結論できるということなのです。

現代の成人男性の摂取カロリーは実は戦後間もない頃と較べてむしろ減っているというデータがあります。にもかかわらず肥満やメタボが増えているのはひとえに運動量が減ったからだとされています。

中之条町や久野先生の研究を待たずとも、現代人がそもそも運動不足なのは明らかであり、進化の遅い人間にとって、ある程度運動をすることを前提に作られている身体の仕組が数十年数百年のスパンで変わるものではなく、運動しなければやはり不自然なのです。

様々が技術が出てきていますが、まずはこのような自然の摂理に即し理に叶ったこと、しかもお金をかけることもなく簡単にできることを当たり前のものとして実践すればよいのです。