コンサルタントはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

製薬会社が売りたくない抗がん剤があるらしい

最近マスコミ(特に週刊○代など)「抗がん剤は効かない」と主張してきており、それは概ね正しいのですが、中には「効く」抗がん剤も存在します。

オプジーボ、キートルーダ(日本語ではありませんが「効いとるーだ」みたいに聞こえなくもありません)、それからつい先日FDAが全会一致で承認を支持したノバルティスの「CTL019」(「ブレークスルーセラピー」(画期的治療薬)の指定を受け、優先審査の対象となっていた。その適応は「小児・若年成人の再発・難治性B細胞急性リンパ芽球性白血病」。B細胞急性リンパ芽球性白血病は15歳未満の小児のがん診断の約25%を占めるそうです)の承認も間近とみられ、これらがいま最も注目される抗がん剤ですが、いずれもきわめて高額の新薬です。

今回取り上げるのは新薬ではなく既存薬です。

P-THPと呼ばれる薬です。正式にはHPMA-polymer-conjugated-THPといい、ポリマーと有効成分であるピラルビシン(pirarubicin)を合成した低分子薬です。

ほとんどの抗がん剤は、がん細胞に対する特異性(がん細胞だけを狙い撃ちする)が十分に高くないため、健康な細胞に対しても毒性を発揮し、その結果として副作用が現れるため、有効性を高めようと投与量を高めるほど副作用も激しくなるというジレンマが生じます。

ところがこのP-THPという薬はその特異性が高いそうなのです。なぜかというと、悪性腫瘍の周囲の血管は速成の血管であるが故に、血管壁に通常の血管よりも大きな穴が開いており、P-THPはこの穴をくぐりぬけられる大きさであるため、その穴から漏れてほぼ腫瘍部分のみを攻撃できるという、シンプルなメカニズム(ERP効果というそうです)のものです。

そんなに効く薬ならなぜ売れないのでしょうか。それは製薬会社が積極的に開発、製造し販売しないからです。

実はピラルビシンの特許はとっくに切れており、したがってジェネリックにしかならず、高い薬価がつかないのです。

しかし、開発していないので未承認です。したがって使うとすれば自由診療になってしまう、つまり患者負担は重いのです。

ジェネリックということはつまり製薬会社は儲からないということです。コストをかけて開発し承認されても儲からないなら開発しません。

昨年半値にさせられたオプジーボは半値でも年間数千万円します。また、製薬会社はより新しいメカニズムの新薬の開発には躍起になっても、このように古い仕組み(それがいい仕組であっても)には興味がないのです。

このように良い薬であっても売れない、その理由は製薬会社のインセンティブにある、ということの象徴のような薬がP-THPです。

実は仲の良い友人の知り合いであるお医者さんがこのP-THPの普及を手掛けているそうなのです。孤立無援の戦いのようです。既得権益の中で大変だとおもいますがぜひ頑張ってほしいと願っています。