コンサルタント=ピアニストはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

専門薬局という存在

日本の調剤薬局は、アインファーマシーズ日本調剤といった大手が存在し、合従連衡が進行しているものの、最大手のアイングループでも売上高は約1,900億円(連結)、上位5社(アイン、日本調剤クオール、総合メディカル、トーカイ)の売上高を合計しても約7,000億円と、5兆円と言われる国内調剤薬市場の1割強に過ぎない、分散した業界です。

一方、米国では最大手のCVSケアマークの売上高は約17兆円と、国内首位のアインとは一桁違います。

CVSケアマークは規模のみならず、専門性の高い調剤にも強いプレイヤーです。

米国では、日本とは異なり、抗がん剤など注射剤の処方も行なう「specialty pharmacy(専門薬局)」が業態として存在し、専門薬局には他に在宅医療に強い薬局、介護に強い薬局など、専門分化が進んでおり、かつ成長しています。

 

数年前、ある日本のコンサル会社に、米国の専門薬局の売り案件があるので日本の調剤薬局チェーンは興味を示さないか、という声掛けがあったそうです。日本の調剤薬局チェーンは事業展開も考え方も極めてドメスティックで、かつケイパビリティも日本の法規制も商習慣もあまりに米国とは異なるので(そもそも医薬品の流通形態がまったく違う)、興味を示さないことは濃厚なので(実際には紹介していないのですが)見送った経緯があったそうです。

 

米国の専門薬局に勤務する薬剤師には、当然ながら高い専門性が要求されます。

これは日本の薬剤師以上に薬剤のみならず疾病を深く理解する必要があり、患者のアドヒアランス向上の責任を負うからでもあります。

日本でももちろん抗がん剤や注射剤の処方は薬剤師が行ないますが、基本的に病院に勤務する薬剤師の仕事なので、市中の調剤薬局の薬剤師とは大きく異なります。

歴史的に、医薬分業が進められたものの実効性が無いとして揺り戻しがかかっている現在、薬剤師サイド(日本薬剤師会筆頭に)としては、薬学教育やOJTを含め如何に薬剤師の付加価値、存在意義を高めていくか、その方向性に米国の専門薬局が持つ意義は大きいと思います。

変革には時間がかかると思いますが、既に日本の調剤薬局大手等は米国の現状や動向を研究し始めているようです。