コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

グランミューズG級全国決勝大会

昨日も第一生命ホールに、ピティナ・ピアノコンペティションのグランミューズG級の全国決勝大会のため足を運びました。

グランミューズG級は、2015年に新設された級で、音楽を音大などで専門に勉強していてもいなくても出場できる級で、課題曲はその名のとおりG級と同程度のものを要求されます。ショパンエチュードとバッハの平均律は必須課題です。1年おきに開催されるため、今年が第2回目になります。

出場者はグランミューズカテゴリーのA1、A2、B1の優勝者や国際アマチュアピアノコンクール(通称アマコン)の優勝者、入賞者といったトップアマチュアがずらりと顔を揃える他、日本音楽コンクールに参加したことがある方や、芸大出身者など強者ぞろいです。

私は1昨年も1地区だけ1次予選を受けましたが残念ながら通過ならず。

今年はせめて1次予選だけでも通過すべく準備を進めてきて、1地区目は奨励賞にもかからず素落ちでしたが、2地区目では運よく通過することができ、7/30の2次予選に臨みましたが、残念ながら全国決勝進出はなりませんでした。

1次予選、2次予選を通じてほとんどの全国決勝進出者の演奏はいずれかで聴いたのですが、その中には大学の後輩もおり、いずれも(当然ながら)かなりのレベルの演奏でした。

その中でも特に印象に残った(ほんとにうまいと思った)のが、徳永哲也さんです。

個人的に面識はないのですが、どうやら音大卒ではなく、一般の大学を出た若い方です。2次予選ではバッハの平均律1巻7番とショパン幻想ポロネーズを弾いておられました。瑞々しく生き生きした完璧な平均律、そしてこれもこれまでプロアマ問わず聴いた中で一二を争うであろう素晴らしい幻想ポロネーズ(自分も学生時代から弾いている大好きな曲の一つです)で、2次予選通過(=全国決勝大会進出)は疑いの余地のない演奏でした。

なので昨日も徳永さんの演奏を聴くことを目的に朝一番で開演30分前には会場に到着していました。

運のいいことに(当人にとっては運がよくないかもしれないですが)演奏順はトップバッターでした。

選曲はベートーヴェンピアノソナタ第23番「熱情」1楽章、幻想ポロネーズ、リストの超絶技巧練習曲第4番「マゼッパ」という意欲的なプログラムです(全国決勝ではエチュードを1曲弾かなければなりません)。

徳永さんはなんとマゼッパから弾き始めました。これは超絶技巧練習曲12曲中、5番の鬼火と並ぶ難曲です。

プロでもいきなりマゼッパを弾くのは躊躇するでしょう。しかし徳永さんは攻めています。しかも1次予選で課題曲であったショパンエチュードであれば全国決勝で同じ曲を弾いてもよいところを、あえて違う曲、しかもマゼッパを選ぶところがますます攻めています(実はマゼッパの方が点が出やすいという狙いもあったかもしれませんがそれはあくまでも完璧に弾けたらの話です)。

非の打ちどころのないマゼッパでした。

続いては熱情1楽章です。これは有名曲ではありますが、ベートーヴェンソナタの中でも、いや古典派ソナタの中でも最も難しい楽章でもあります。これも見事でした。とても強い基礎をもっておられます。バッハの演奏でもそれをうかがい知ることができました。

最後は期待の幻想ポロネーズです。これも2次予選同様すばらしい演奏でした。マゼッパと熱情1楽章の後に連続でこの大曲を弾くのは余計に大変なことですが、それをまったく感じさせない演奏でした。

第一生命ホールでの全国決勝大会は、それを経験している尊敬する友人に言わせるとそれだけで通常の精神状態を保つことはとても難しいということですが、それもまったく感じさせない演奏でした。

昨日は用事があったため最初の2人しか聴けないという状況で徳永さんのすばらしい演奏を目の当たりにできたことは本当に幸運でした。

結果は審査員が決めることとはいえ、きっと良い結果であることでしょう。明日の結果発表を楽しみに待ちたいと思います。