名ピアノ教師として広く知られるジョセフ・レヴィーンによる著書の日本語訳です。
10年ぐらい前から時折繰り返し読んでいますがその度に学びがあります。
世の中にピアノ演奏法に関する書は数多く出ており、自分もおそらく20冊ぐらい買って読んでいますが、この本が金子一朗氏の著書「挑戦するピアニスト」と並び最も学びの多いものです。
日本語でないものも含めると、おそらくいい教科書は多々あるのだと思います。
たとえば、ウェブ上で無料で読めるPDFのものなどがありますが、英語でしかも数百ページにおよぶので、なかなか読みこなすのは骨が折れるでしょう。
この「ピアノ奏法の基礎」は、数多あるピアノ奏法に関する考え方を、簡潔に、真に重要なことだけをシンプルに述べています。
それだけに、さらっと読めてしまうのですが、ひとつひとつの記述がとても重いものです。こういった記述は、初心者が読んでもまずその真意を理解することは難しく、ある程度弾けるようになり、壁にぶちあたって初めてそのいくつかがやっと理解できるという類のものだと思います。