村上春樹は、ぼくが大学3年の頃、現代作家を読まない自分が、同級生に勧められて半信半疑で読んだらすっかり虜になってしまった作家だ。
彼の初期の代表作にはとりわけ自分をわしづかみにされるような見事な寸鉄とも言うべきフレーズがある。名言botからいくつか拝借してみる。
『風の歌を聴け』
完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。
あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風にして生きている。
どんなに惨めなことからでも人は何かを学べるし、だからこそ少しずつでも生き続けることができるのだ。
遠くからみれば大抵のものは綺麗に見える。
人はどんなことからでも努力さえすれば何かを学べる。
多かれ少なかれ、誰もが自分のシステムに従って生き始めていた。それが僕のと違いすぎると腹が立つし、似すぎていると悲しくなる。それだけのことだ。
『羊をめぐる冒険』
現在が現在であることをやめてしまえば歴史は歴史でなくなってしまう。
『ノルウェイの森』
死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。
しかしながら、自分が最も心を撃たれたいくつかはここにはない。