目下かつてなく力をいれているショパンエチュード作品10と作品25。
いずれも音楽として傑作だが、いくつかとりわけ感動的な箇所があり、自分はこれを鳥肌ポイントと呼んでいる。
たとえばここ。作品10第11の中間部。主調であるEs durからCes dur、そしてdes mollへと巧みな和声進行。分散和音で声部を聴かせつつ和音連結するのはきわめて難しい。
そしてもう一つはここ。作品25第12の中間部後半。messa di voceでcross motifが4連続。うねりながら段階的にcrescendo。安易に「宗教的」という表現は避けるべきだが、もしその表現を使うとすればショパンならまさにこの箇所だと思う。
これらの例の他に、ショパンエチュードの鳥肌ポイントは10-6、10-9、10-10、25-5、25-7、25-10にある。