ことわざ諺は必ずしも正しくない。
言葉の災いと言ってもいいものが多々ある。
いくつか例を挙げて説明する。
石の上にも三年
これは我慢強く辛抱すれば必ず成功するということわざである。そんなことはない。いや、がまんを奨励することは害悪でしかない。個性を伸ばし尖っていかねば一流にはなれない。嫌なことには本気になれないし、本気になれなければ一流にはなれない。一流でなければニーズはない。
魚心あれば水心
これは自分が好意を示せば相手も好意を示すということわざ。甘い。尊敬する中島義道先生もこうおっしゃる:「どんなに誠実に話したって、わかってくれないこともある。どんなにいいかげんに話したって、完全にわかってくれることもある。なにしろ相手は「他者」であり、あなたではないんですから、そんなことはあたりまえです。」(『怒る技術』)。そのとおり。
瓜の蔓に茄子はならぬ
これは平凡な親から非凡な子は生まれないということわざ。危険な思想である。出生で運命が決まってしまうなら誰も努力も選択もしないだろう。
古来から言われていることが真理とは限らない。
疑ってかかることだ。