コンサルタント=ピアニストはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

断捨離のプロ

自分は戦略コンサルタントであるが言い換えれば断捨離のプロでもある。

自分オリジナルの定義ではないが、説明のし難い戦略を一言で説明してくれとの問いには必ず「戦略とは捨てること」と答える。

企業経営者にとって最も難しいのが捨てることであり、捨てないことが窮境に自社を陥れることの理解もできていない。

 

そもそも断捨離というのは一躍この言葉で有名になったやましたひでこさんの造語なんだな。

Wikiによると:「ヨーガの行法である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)を応用し、

断:入ってくるいらない物を断つ。
捨:家にずっとあるいらない物を捨てる。
離:物への執着から離れる。」

とある。

元々は家の中に溢れる使いもしないモノを捨てる姿勢を表しているが、今や断捨離はモノのみならず思考にも応用され人口に膾炙している。

断捨離を実践している人を称してミニマリストと呼ぶ向きもあるがこれには全面的には同意できない。定義はともかく、実際には欲しいものを我慢して買わない買えない人もミニマリストに含まれるからだ。

 

さて本題に戻りなぜ企業経営において捨てることが難しい理由は大きく3つある。事業単位での断捨離を例にとるが、これが技術でも構造は同じである:

1. 事業ポートフォリオが幅広い方が安心(個々の事業好不調の波の影響を受けにくい)

2. 事業継続/撤退の基準が不明確

3. その事業を撤退させると当事者が傷つく

これらはいずれも解決可能であり、コンサルタントとして事業断捨離をいくつも手伝ってきた(10社を超える)し、事業会社でもいくつか自分が主導して実現してきた。

そしてその解決方法は言葉にすれば極めてシンプルである。

正しくビジョンと戦略を立てること、これだけである。

ビジョンとは壁にかけて飾る文句などではない。企業が目指す「ありたい姿」(あるべきとは言わない。経営意思を含むので)を端的に明文化したものである。これを策定するには客観的な事業環境分析が必須であり、場合によっては何億もかけてまた半年かけてでもしっかり作るものである。

なぜそこまで経営資源をビジョン策定に投じるのか?その答は明らかである。到達点(ビジョン)無くして客船は船出するだろうか。そうしたらどうなるか考えてみれば良い。

現実にはこれが出来ていない企業があまりに多い。

そしてビジョンは社長やCEOの頭の中にあればいいのではなく、会社全体に共有され、戦略、計画、施策、経営基盤など企業活動と仕組が全て立脚すべきものなのだ。

経営基盤の一環としての事業継続/撤退の判断基準も例外ではない。

ビジョンを明確にし、勝ち続ける為に必要な領域に経営資源を集中することによってはじめて企業は持続可能となるし、企業の構成員も幸せになれる。

辞められず勝ち目がなく企業業績の足を引っ張る事業を断捨離できず資源が分散し磨くべき事業ですら中途半端で機会損失を被り続けているのは見るに堪えない。

トップの仕事は決断だと古今東西言われる。決断とは決めて断つことである。まさに断捨離である。

個人も同じこと。あれもこれもと悩んで散財したり、一つのことに集中すれば一流になったり幸せになれるのに決められないから何をやっても中途半端で自己嫌悪。こんな状態から脱するには決断しかないのだ。

自分のやりたいことがわからないという人は多いと思うが、わからないのではなくわかろうとしていなかったり、外に答を見出そうとしているからいけない。やりたいことを知っているもう一人の素直な自分の声に耳を傾けてみてはどうだろう。何を捨てれば良いか自ずとわかる。