コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

なぜ心を身体をケアするようにケアしないのか

我々は身体の病気や怪我に対処するように心をケアしていない。できていない。

いい動画を見た。TEDトークである。

タイトルは"How to practice emotional first aid"(心理的な応急処置をいかに実践するか)。スピーカーは心理学者のGuy Winch氏。2015年2月公開の動画である。

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主旨はこうだ:

我々人間はたとえば転んでひざをすりむいたらばい菌が入らないように絆創膏を貼るし、腕を誤って切ってしまったらやはり絆創膏を貼ったり包帯を巻いたりするだろう。

心も傷つく。

これは比喩ではなく、実際に傷つくのだ。

たとえば他人に罵られたり痛いところをつかれたらほんとに痛いし自尊心(self-esteem)が傷つくのである。

しかしその時人間はどう対応するか。

絆創膏を貼る代わりに、さらに傷つける行為をしてしまう。「反芻」(rumination)という行為がある。

「あぁひどいことを言われた」と、もう相手は言っていないのに心の中で繰り返しつぶやき、さらに傷を深くしてしまう。

腕を切ったとき、「よし、もっと深く切ってやろう」とすることは(自傷行為をするケースはあるが)通常の心理状態であればやらないだろう。

それより傷の手当てをするだろう。

子供のときから教わっていることである。

歯磨きもそうである。虫歯にならないよう、歯周病にならないよう毎日行なうよう習慣づけられている。

ところが心はどうだろう。

心が傷ついたとき、きちんと対処するように我々は教えられているだろうか。

心が弱っているとき、守るように教えられているだろうか。

むしろ逆で、「何をいつまでくよくよしているんだ」「忘れてしまえ」と他人やあるいは自分でも自分に言い聞かせ、くよくよしている自分、忘れられない自分をまたそこで責めてしまってはいないだろうか。

また、寂しさというのは誰でも感じるものである。そして寂しさは単に心の問題だけではなく、長期的に寂しさを感じる人は循環器の疾患、免疫低下による様々な疾患のリスクが高まることが証明されている。

寂しさを紛らわすこと、人と関わること、そういう環境に自分を置くようにすることが有効だ。

また、心の傷を深くしないためには、反芻しないことだ。反芻しないためには、2分間だけでも気を紛らわらせればよいことがわかっている。

 

 

 

この動画を2回見て、考え方を新しくした。反芻しないこと。傷を深くしない術を知ることの重要さ。

心が強い人は心を守る方法を知って実践しているのだ。決して先天的なものではない。

「そういう人」というものでもない。それはスキルであり習慣である。

まずは思考を変えることだ。心に関する思考。

思考を変えれば行動が変わる。

行動が変われば習慣が変わる。

習慣が変われば人格が変わる。

すべて良い方向に向かっていく。