思い立ってと見せかけて実は前々から計画していたのであった。
尊敬するピアニスト金子一朗氏の大阪は梅田でのリサイタル。
主催がショパニスト関西ということで、前半はオールショパンのプログラム。
後半は:
アルベニス: 組曲「イベリア」第2集(ロンデーニャ、アルメリア、トリアーナ)
といういつものことだが曲目だけでも意欲的なプログラム。
前半は英雄ポロネーズとスケルツォ第2番というショパンの全曲中でも演奏される機会が最も多い曲目だが、この2曲はショパンという曲者の曲である以上、実は奥が深い曲なのである。
そして金子さん自身から事前に(2週間前にお会いしている)これらの曲の難しさについて直接おうかがいしていたし、特にスケルツォ2番は自分がリサイタルで取り上げたこともある位思い入れのある曲なので、「これは聴かずにおけない!」と思い、大阪日帰りを決行したのであった。
金子さんのリサイタルに足を運ぶのはこれでおそらく7回目ぐらいになると思うが、いつもその論理明快な解釈と、一つ一つの音への配慮、響きの作り方、そして何より大胆さと繊細さが共存する演奏に感心するばかりであり、今回も期待を裏切らない演奏ばかりであった。
今回の演奏曲目の白眉をあえて挙げるとすればマズルカ作品24第4であろう。マズルカの中でも特に規模の大きい傑作でありながら、演奏される機会は少ない。おそらく弾きこなすことが難しいからであろう。
同じプログラムで8月にさいたま芸術劇場で弾かれる予定だが、こちらもできれば聴きに行きたいと思う。