コンサルもしくはコンサルを志す人なら知らざるでは済まされないキーワードはMECE。
先日、ある物知りを自認する勉強家の社長にMECEと言ったら「何ですかそれ?」と聞かれたので説明したが、実はあまり一般的ではないかもしれない。
一流とされるコンサルファームの一員ですら、MECEが何であるかはもとよりなぜMECEが有効なのか説明できるものは少ないであろう。
MECE=mutually exclusive collectively exhaustive
文字通りには互いに排反集合的に包括的(完全)という意味である。イメージとしてはジグソーパズルだ。どの一つのピースも欠かせず決して重なることなく全体として一つの完成形を構成する。
言うは易し。これだけ理解しても意味はない。
確かに有効な考え方ではある。理想的には。理論的には。
コンサルタントはDD(デューディリジェンス)の質問項目を作成したりアンケート設計を行なうことが多いが、この際は作業の効率性を担保しつつ目的を達成すべく、MECEすなわち「モレなくダブりなく」は鉄則である。
だが実際のビジネスにおいて何が完全を意味するかが壁として立ちはだかる。
何をもってexhaustiveとするか?
それがexhaustiveであることをどう立証するか?
これにどう答えるかでコンサルとして一流か否かが試される。
まさに今日ある企業の社長との議論でそれが問われ、3つのフレームワークを提示した。
一流のコンサルなら瞬間芸でそれができて当然である。しかもその場で。
それはたとえばステイクホルダーでありバリューチェーンでありアンゾフでありPLでありこれらをその課題にいかに組み合わせて適用するかである。