連載6回目の今日は、プロのコンサルタントの重要なスキルとして、今回はインタビューを取り上げる。
コンサルタントはそもそも知識と思考のみならず情報収集・分析、広義のコミュニケーション能力やビジネスツールを駆使するスキルなどの「総合力」を問われるが、インタビューは瞬間芸も問われる一種の知的格闘技であると言える。
インタビューというとジャーナリストがあらかじめ用意した質問を順番に聞いていく、そしてたとえば全国紙の記者が大企業の経営者に全国紙の権威を借りて質問するといったものも含むが、コンサルのインタビューはそれらとは全く違う。
コンサルのインタビューは、仮説検証に必要なクリティカルな、公開情報からは得られない情報を、その道のエキスパートから聞き出すという高度なインタビューである。
そしてそれを自分は一般的なインタビューと区別するため、ファシリテーション同様、「攻めのインタビュー」と称する。
攻めのインタビューはタフである。
相手はその道で世界有数のプロである。経営者だけではない。科学者もいる。外科医もいる。オリンピックメダリストや俳優である場合もある。
もちろん日本人とは限らない。
初対面の一流企業のトップとの電話の場合もある。
肝臓がんの3時間のオペを終えて来たばかりの医者もいる。
コンサルタントという人種を全く理解していないどころか毛嫌いしている人もいる。
1時間もらった筈が、急用が入り5分で頼むということになる場合もある。
しかしいかなる場合でも、本当に聞く必要があることは聞かねばならない。答を引き出さなければならない。
そしてインタビュアーはファームのブランドを傷つけてはならない。
まさに総合知的格闘技である。