コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

コンサルの技シリーズ(14)経営トップの懐に入り込む

さて、シリーズ14回目は経営コンサルタントの本質である究極の技である。

一応究極なので、これで一旦このシリーズ最終回としたい。

経営トップの全幅の信頼を得ていなければ、参謀として力を発揮することはできない。その大前提である。これを懐に入り込む、とする。

どうすれば懐に入り込めるのか。

その企業が営む事業に関して実績に裏付けられた深い理解と洞察があればいいのか。それは十分条件ではないし、必要条件ですらない場合もある。

ロジカル・シンキング、仮説思考を完全にマスターしていればいいのか。いやこれも違う。

もちろん、経営コンサルタントとして企業の価値向上を実現することができなければならないのであるから、ファジーな表現だがいわゆる「人間力」でもない。

当然ながら容姿でもない。

経営者は一流の経営者であればあるほど一瞬で人を見抜く。口がうまいとか頭が切れるとか瞬間芸も小手先のものと見抜かれる。

まずはこの最初の数秒の試験にパスしなければならない。これをパスしないともはや何を言っても受け取ってもらえない。

経営者がコンサルタントを評価するポイントは刻々と変わる。それをコンサルタントは鋭敏に感じ取り、適切なペースで話を進めることができなければならない。

鋭敏さ、引き出しの多さ、機転、ダイナミックに臨機応変に、相手のペースに乗っているようでいて実は自分がプロセスをコントロールしている、これができるか否かで超一流かそうでないかが決まる。

しかも、これを技としてモノにできていたとしても、やはり人と人には相性というものがある。しかし相性だけでも当然ながら懐に入ることはできない。

難しさの一端でもおわかりいただけただろうか。