米国経済の変化を示す象徴的な出来事が先日あった。
ヘッドラインは、「GEがダウから追い出される」である。
ぼくは2009年までGEのヘルスケア事業に幹部として(当時General Manager)として勤務していたこともあり、GEの戦略には常に注視していたのだが、当時から次の成長の柱を探す動きは大きく、成長率が低迷するヘルスケアにもかなりプレッシャーがかかっていた(そして自分にも)。
メディア、プラスチック事業、金融などを次々に売却する一方で、最近ではソフト事業を買収しIoTに注力するなどの方針を打ち出していたが、株価の低迷を克服することが出来ない状況で、創業以来の事業である照明も苦境に陥っている。
GEに代わってダウ平均30種に採用されたのは、調剤薬局大手のWalgreenである。
GEの時価総額は1,130億ドル(約12.4兆円)、Walgreenの時価総額は670億ドル(約7.4兆円)と、時価総額でみればGEの方がはるかに大きいのであるが、先の記事によると「GEはもはや米国経済の代表的な事業構成ではない」ということである。
ダウ平均30種の入れ替えがあったのは、2015年にAppleがAT&Tに取って代わって以来である。
次に取って代わられるのはIBMかもしれない。