コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

地球上に蟻は何匹いるのか

我が家の3階のバルコニーには蟻さんが多く訪れる。

決して蟻は嫌いではないが、あまりに多いとさすがに気味が悪い。

蟻の行動を見ていると、なんだかとても組織立って行動しているように見える。

自分たちの生息にふさわしい新たな場所を探し、巣を作り、卵を産み育て、食料を調達し、さらに大きな集団、組織になっていく。

かつて人類もこのような営みをしていたのだろう。そして町ができ都市になり国家になった。

それぞれの集団がそれぞれの棲息領域(ニッチ、niche)で暮らしていれば平和だが、組織が大きくなり、棲息領域を奪い合うようになったり、外敵に襲われるとなると平和を維持するためには攻撃と防御が必要になる。

どこかで地球上の蟻の総重量は人間の総重量を超えると聞いたことがある。

本当なのだろうか。

気になったのでGoogle先生に相談してみた。まず日本語で検索してみるとブログ記事があった。

zatugakuou.blog.so-net.ne.jp

出所が明確に記されてはいないが、元ネタは(他の記事でも引用されているが)ハーバード大教授のEdward O. Wilson氏らによるThe Ants(1990)という著書であるらしい。この著書では「地球上の蟻の総重量は人間の総重量と同じ」という主張が為されているらしい(原著を読んでしっかり確認する必要があるのだが)。

 

しかしそもそも地球上の蟻の数をどうやって数えるのか(もちろんフェルミ推定は必須)、100種以上存在するアリ(ハチ目スズメバチ上科・アリ科Formicidae)に属する昆虫)、しかも大きさ(全長)が1㎜未満から4㎝にもわたり、したがって体重もオーダーが3桁異なるであろう膨大な種・数の蟻の平均体重をどう推定するのか。72億人の人間の総重量を推定する方がよほど精度は高いであろう。

 

日本語で検索しても納得の行く推計が無いので、Google先生に今度は英語で相談してみた。するとこのBBCの記事が最も説得力がある。

www.bbc.com

 

もっとも、この記事でも精度が高いと思われる推定ができている訳ではないが、状況証拠的には蟻の総重量は人間の総重量に遠く及ばない(1桁は違う)というのがどうも先のThe Antsの中でされているとされる主張よりは説得力がある。

1京(1万兆)匹ということでこの記事は落ち着いている(The Antsを前提にしている)ようだが、この数字の根拠を、生息域や生態に関して現時点で判っていることに基づき推計する人がいてもいい気がする。

というかそもそも総数で何匹いることが判ったからといって何の役に立つのか、という冷めた意見も聞こえてくるが、実益があるか否かではなく、好奇心の問題なのだ。

どなたか計算してください。