コンサルタント=ピアニストはきょうも語る

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核酸医薬はいまどうなっているのか

約2年前、前職の社内向け週刊メールマガジン核酸医薬について解説した。

以下の内容である:

核酸医薬とは、DNAやRNAの構成成分である核酸(オリゴヌクレオチド、oligonucleotide)からなる医薬品で、遺伝子の発現に直接作用することにより、これまで治療が難しかった病気の治療が可能になると期待されています。
抗体医薬に次ぐ医薬品として注目されており、今後、核酸医薬市場は拡大が見込まれています。
抗体医薬との違いのひとつに、核酸医薬は合成が可能ということがあります。また、抗体医薬等のバイオ医薬品に比べて分子量が低くDDS上有利という側面もあります。
一口に核酸医薬といっても5種類あり、アンチセンス、siRNA、アプタマー、免疫賦活剤、miRNAに分けられます。
筆者が約5年前、ある日本企業の戦略策定を支援していた際に、抗体医薬も参入領域候補ではあったのですが、クライアント内の研究開発部隊は核酸医薬を支持していたものの、それまで数十年にもわたって注目され続けているにも関わらず目立った核酸医薬製剤が出てこないことから将来性に懐疑的な事業開発部門に押し切られて見送った経緯があるのですが、その後多くの日本企業がこの領域に参入し、一躍熱い領域になっています。
その当時すでに日東電工が米国のAvecia社を買収し(その後Girindusも買収)ていましたが、ここにきて東レナノキャリアオンコセラピー・サイエンス全薬工業といった顔ぶれが参入を表明しています。
原理的に革新性の高い技術であっても、特に医薬品の分野では長い時間軸と投資が必要ですし、核酸医薬もいよいよ揺籃期を脱しつつあるのかもしれません。 

 ・・・という内容でした。

ここで挙げた東レの最新の開発状況ではこれからフェーズ1を開始し、上市は2020年代(2020年、ではなく2020年「代」であることに注意)ということなので足が長い話ですね。

【東レ】IPF対象の核酸医薬、20年代後半上市に向け第I相開始 : 薬事日報ウェブサイト

 

一方、海外では米国アルナイラム(Alnylam Pharmaceuticals, Inc.)社の核酸医薬であるPatisiranが希少疾患である遺伝性アミロイドーシス既にフェーズ3試験を終了、試験結果が主要医学誌であるNEJM(New England Jornal of Medicine)に今月初めに掲載され、承認・上市が間近に迫っているようです。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1716153

 

中分子薬と分類される核酸医薬ですが、まだまだ医薬品市場におけるプレゼンスは萌芽段階です。