コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

生産性が高まるオフィスとは(3)

前回はイノベーションを創出できるオフィスの再定義をすれば自家撞着にならない、ということを述べた。

ではどう再定義するか。コトを起点にするのである。従来のハコ(建築物)やモノ(家具や備品)ではない。

ちなみに私は建築専攻なのでハコモノ起点の考えには慣れ親しんでいる。

一方で経営コンサルタントとしてはハコモノは手段にしか過ぎず、あくまでもビジネス起点で考えている。

オフィスというより、この先はワークプレイスと表現すべきであろう。ワークプレイス=働く場である。

よくワークライフバランスというが、これはワーク(働くこと)とライフ(生活)を対峙させる考え方である。しかし、働き方が、時間と場所を含め多様化する、しかもそれが職種ではなく一個人の中でも多様化することによって、より柔軟に時間を有効活用できるようになる、これが昨今の働き方改革である。

いつでもどこでも働けるからこれまで以上に労働時間が長くなるということではもちろんなく、逆にいつでもどこでも自分の時間を持てるということでもある。管理する立場からしても、時間や場所の拘束ではない管理の仕方を求められるということだ。そして、それは単にテクノロジーの活用でできるようになるというのではなく、組織のあり方や方針、個人のマインドセットも併せて変えなければ実現しない。

きょうたまたま米国人と日本企業の時間の使い方について議論する機会があった。大企業はとかく会議が多い。会議には3つの目的がある。情報共有、アイデア出し(ブレストなど)、意思決定である。情報共有の会議は会議のための会議、主催者のための会議であって、単にメールで済むことばかりである。一方でアイデア出しや意思決定という付加価値創出の会議は少ないかあっても形骸化しているかファシリテーションができず機能していない。結果としてほとんどの会議は無駄な時間になっている。重要な意思決定や斬新なアイデアは会議以外の場で行なわれており、単なる承認かせいぜいチームビルディング(消極的な意味)の時間になっているに過ぎない。にもかかわらず会議の時間は長い。15分で済むものに1時間、2時間かけている。しかも膨大な(読まれない)資料の作成に膨大な工数が割かれている。

そもそもやるべきはこの膨大な非付加価値業務の見直しにある。働き方改革の大前提はまずここにあるのだ。現状やっていることを見直しもせず、テレワークだの何だのと号令をかけても意味は無い。