かつて一度受けて初段をもらった日本最高峰の英語コミュニケーション試験ICEE。
今年は国連英検特A級に合格することができたので、これに優勝すれば文句なしに英語ヲタク界に君臨することになる・・・というのは半分冗談で、ICEEは、松本道弘氏が企画し20年以上も続いている、英語によるコミュニケーションの真の能力を試される試験である。
この試験は丸一日かけて行なわれる。
午前中の5つのラウンドで午後の部への進出者が決定する。
午前の部は以下のようなお題である:
◆Introducing Others(他己紹介): 個人種目。英語で歴史上の人物や著名人を紹介するセクション。英語表現だけでなく、様々な知識、また要点を簡潔にまとめる力が試されます。
◆Extemporaneous Speech(即興スピーチ): 個人種目。1分間で与えられた課題に対し、自分の意見や考えをまとめスピーチをするセクション。流暢さだけでなく、話の運び方やタイムマネージメントが試されます。
◆Critical Response(一問一答): 個人種目。質問の意味を瞬時に判断し、短くわかりやすい英語で答えることができるかを判断するセクション。ユーモア性、発想力、などが問われます。
◆Why-Because(ホワイ・ビコーズ): 短い質問と、それに適切に答えるセクション簡単な最初の質問から、なるべくWhy?の質問を引き出し、それにBecause...と理由を答える。質問と答えの両方の役割を評価されます。簡潔な質問をする力、瞬時に内容を理解して明確に答える力、どちらも論理的思考力が試されます。
◆Discussion(ディスカッション): 個人種目。英語で、自分の意見を明確に相手に伝えることができるか、また相手の意見を受け取って、さらに発展させることができるか、の両方が問われます。
これを見てわかるように、一方向のコミュニケーションから双方向、そしてグループでのコミュニケーションへと発展します。
午後の部はこのような構成で、ラウンド毎に進出者が絞られていきます。
◆Impromptu Debate(即興ディベート): チーム種目。参加者はチームに振り分けられ、チーム毎に論題が与えられます。15分間の作戦会議の後、チーム対抗によるディベートを行います。評価はチーム毎ではなく、参加者別に行われます。
◆Interpretation(通訳): 個人種目。ゲストスピーカーの話を同時通訳します。日本語から英語、英語から日本語と2回のパフォーマンスがあります。
◆Negotiation(交渉): チーム種目。参加者は2名1組のチームに振り分けられ、チーム毎に役割が与えられます。15分間の作戦会議の後、各チームはネイティブスピーカーチームとの交渉を行います。
◆Journalistic Interview(ジャーナリスティックインタビュー): 個人種目。ゲストスピーカーについての資料をもとに3分間の準備時間。その後、ゲストスピーカーに1対1で10分間のインタビューを行います。
ディベートから始まるところがミソである。与えられたお題に題して賛成側か反対側のチームに属して意見を述べるので、実はディベートはそれほど難しくはない。
次の通訳は内容の予測ができないのとリスニングとスピーキングを同時に行なうことが求められるのでややタフである。
ネゴシエーションは相手の反応に対して機動的かつ柔軟に応答することが求められる。日本人の苦手とする交渉だが、異文化コミュニケーションではきわめて重要な能力である。
最後のジャーナリスティックインタビューは、前回進めなかった最終ラウンドである。質問することは質問に答えるより難しいし、インタビューの流れというものも評価される。最も高度なコミュニケーションスキルと言える。
来週日曜が楽しみである。