昨晩は、自分が長いブランクを経てピアノを再開した当時の恩師。当時は実家である東京に住まれていたのでショパンエチュードやベートーヴェンソナタを見ていただいた。
東京でリサイタルをされる際にはいつもご案内をいただくのだが、これまでに行われたスクリャービンソナタ全曲演奏会などは仕事の都合で聴きに行けず(会場に着いたらほとんど終わりかけていたこともあった)、いつも失礼してしまっているが、今回は運よく聴かせていただくことができた。
曲目は:
ペロッコ:霧から
ペロッコという作曲家は存じ上げなかったのだが、調べてみたらFilippo Peroccoというイタリアの現代作曲家であるようだ。
5-6分の曲だろうか。霧からという曲名とは少しイメージが違う。高音部の金属的な断片的なモチーフが印象的。おそらく第2主題であろう中音域の穏やかな旋律と対比を為している。
次に弾かれたショパンの主題による変奏曲は演奏される機会がラフマニノフの作品の中では低い部類に属するが、トリフォノフも取り上げているし、何と言ってもその主題がこの次に弾かれたショパンの前奏曲の第20番なのである。
このバリエーションはまとめるのが難しい。
そして、ショパンの前奏曲は、自分がショパンの全作品の中で至高と位置付けている作品であり、これまで部分的に(1-12番と13-24番を別々の機会に)弾いたことはあったものの、まだまだ今の自分から見れば「なぞっている」程度の演奏だったので、いつか全曲しっかりと弾きたいと思っている曲だ。1曲1曲は短いが、24曲で紡がれるミクロコスモスは壮大である。
12番や16番など難曲を丁寧に弾いていたのが印象的。
久々に元恩師の演奏を聴けてよかった。