家の最寄りのコンビニはLawsonである。大変重宝している。
いちど閉店したことがあったが、とても不便だった。
かつ、照明がなくなってしまったので、界隈が急に田舎になってしまったような気がして淋しかったものだ。
そのLawsonに近頃、「サンドイッチ革命」なるのぼりが立てられていた。
革命だと?革命などという表現はおだやかなものではない。
気になる。
そもそも革命とは何を意味するのか。
デジタル大辞泉にはこうある:
《「易経」革卦の「湯武命を革(あらた)め、天に順(したが)いて人に応ず」から》
1 被支配階級が時の支配階級を倒して政治権力を握り、政治・経済・社会体制を根本的に変革すること。フランス革命・ロシア革命など。
2 物事が急激に発展・変革すること。「産業革命 」「流通革命 」
「其精神(こころ)の内部(なか)の―が丑松には猛烈に起って来て」〈藤村・破戒〉
3 古代中国で、天命が改まり、王朝の変わること。
4 陰陽道(おんようどう)で、辛酉(しんゆう)の年のこと。争乱が多いとされて、改元などが行われた。
どれをとっても大変な変化である。
ではこれに照らして「サンドイッチ革命」とは何を意味するのか。
1の定義だとすると、被支配階級が支配階級を倒すとある。サンドイッチの場合、被支配階級は構造的に具であり、支配階級はパンである。支配階級であるパンが野菜やハムなど被支配階級を抑圧している構図である。
具がパンを倒すとなると、どうなるのか。パンがなくなるのか。いや、パンがなくなったら単なるサラダであるからそれはない。だとすると具でパンをはさむことが妥当であろう。これなら確かに革命である。
実際、Lawsonはサンドイッチに何を起こしたのか。解説をみてみよう。
ん?どこからみても従前の形のサンドイッチである。革命とは形のことではないらしい。
では中身なのか?
いや、具も特殊なものではない。仮に具が変わったとしても、今の世の中、何が入っていてもおかしくはない。たとえ北京ダックであろうとステーキであろうとチンジャオロースであろうと。
むむ。では何が革命的なのか。
このウェブサイトでLawsonさんはこうおっしゃる:
ローソンの新しいサンドイッチは、「ふんわり、しっとり、きめ細かい」。サンドイッチ専用食パンが美味しさの秘密です。
パンが変わったのか!しかしパンは支配階級。支配階級がバージョンアップしてもグレードアップしても革命にはならない。
謎は深まるばかりである。