コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

不器用な左手

ピアニストは大抵がどちらかといえば右手の方が器用であろうと思う。

バッハの曲やフーガおよび左手が主役の曲などを弾く機会より、高音部に旋律があり低音部に伴奏がある曲というものを弾くことがおそらく多いであろうし、どうしても神経は歌う旋律に集中することになるから、右手を相対的により自在に扱うことができるようになるので、いわば自然なことではある。

しかし、これが支障となることがある。

バッハなど対位法的な曲では異なる声部、多くは右手と左手の掛け合いが楽曲の妙味であるが、右手を素晴らしく歌っているのに、左手がそれに劣ると掛け合いとして美しくない。

対位法でなくとも、ユニゾンでもそうである。右手に左手がなんとかついていっている印象を与えてしまっている演奏はわかってしまう。これではユニゾンとして美しくない。倍音の響きが弱くなるのだ。目下研究中のシューマンのピアノ協奏曲3楽章やチャイコフスキーのピアノ協奏曲1楽章がそうだ。

これを克服するには左手だけ練習する、そして両手で練習する際もあえて左手に意識を持って行き、左手でリードするようにするといい。

他の楽曲でも、かなり弾けるようになったと思った曲でもいざ左手だけで弾こうとすると暗譜が怪しかったり、危なかったりする。これは右手の助けを借りている証拠である。

左手が右手の足手まといになってはならない。