前々回、前回に続きウェブ上で簡単に入手できた自筆譜に基づき自分なりに作曲者の意図を汲み取ってみる。今回は13番、14番、15番、20番、22番。
13番 嬰ヘ長調:
最後の2小節が全面的に書き換えられている。ここにも後続の14番との連結を意識しているのであろうか。
14番 変ホ短調:
5個所変位記号もしくはナチュラルを消している。半音階的な和声進行が結果として生まれ緊張感を高めているのであろうか。
15番 変ニ長調
ここまでみてきた曲の中で最も書き換えた箇所が多い。この曲に相当思い入れがあることの現われか。当時死の影と共に生きていたショパンの苦悩が表出しているようにも思える。
20番 ハ短調:
1小節目4拍目の左手は最初1オクターブ下だったのだろうか。4小節目は?弾きなれ聴きなれているからかもしれないが、これら修正に才を感じる。
22番 ト短調:
短い曲の割には書き換えが多い。この曲もまたエンディングに工夫がみられる。
ごく簡単に第一印象を綴ってきたが、今後、他の曲も、また他の版の自筆譜も見較べてじっくり研究していきたいと思う。