コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ショパン前奏曲集作品28(44)最近のレコーディング(3)Andrew Tyson

既に国際的に活躍しており、日本でも人気のピアニスト(今年10月に来日)、Andrew Tysonのショパン前奏曲集作品28の音源がApple Musicに会ったので聴いてみた。

ちなみに月額980円で聴き放題のApple Musicはなかなか優れものである。

CDも出ている。

https://www.amazon.co.jp/Chopin-Preludes-Op-Andrew-Tyson/dp/B00NZGRKTK

 

Andrew Tysonは2015年のゲザ・アンダ国際ピアノコンクールの覇者であり、リーズ国際ピアノコンクールのファイナリストでもあり、実力は証明されているし、これまでに何度か彼の演奏をYouTubeで聴いたこともあり、その実力は認めているところであるが、彼が特にショパンという作曲家が好きであることはつい最近知った。

ということで聴いてみた。

確かにまったくゆるぎのないメカニック、確かなコントロール、色彩豊かな表現力は素晴らしい。

しかしおそらく彼独自の解釈によるものであろうが、とにかく表情をつけ過ぎている(というのは主観的な基準によるものだが)のが自分の好みには合わない。

もちろんコンクールではこうは弾かないのであろうが(ショパンコンクールで2次予選に進んだ経歴もある)、しかし基本的にショパン、それも前奏曲集作品28は薄味で端正に弾いて欲しいという線を譲ることができない自分としては、残念ながら好みの演奏の一つに挙げることはできない。

この先この曲集の研究を続けていった暁に、彼の演奏も一つの論理的帰結として理解できる時が来るのかもしれないが、少なくとも現時点ではショパン前奏曲集作品28の演奏としては認められない。

しかしポリーニのように30年を経て再録音をした際にはまた違った味の演奏になるのであろう。ピアニストとしてはこの先に期待したい存在ではある。