この曲は曲集中難曲のひとつと言われることがあるが、実は両手とも同じ音型が終始繰り返されるため、弾き方の使い方を覚えればそれほど難しいことはない。
以前、自筆譜の分析(29)において:
「9-10小節かなり書き換えられた跡がある。ここは嬰ヘ短調から変ロ長調に遠隔転調するこの曲で最も印象的かつ自分が最も好きな箇所だけに、このように工夫の跡が自筆譜上でみられることはうれしい。」
と書いたが、この曲の鳥肌ポイントをどう聴かせるかが最も重要である。
何しろシャープ3つからフラット5つに転調するのだから、色彩の違いは甚だしくなければならない。