ショパンの曲に取り掛かるのであれば、やはりエキエル版(ナショナル・エディション)を参照しない訳にはいかない。
ショパンエチュードであれば、子供の頃に買ってもらった春秋社版(プレリュードとセットになっている世界音楽全集ショパン4である)に加え、コルトー版、エキエル版を保有している。
そこでエキエル版をベーレンライター版と共に購入した。
あと持っていないので気になるのはHenle版だけである。
エキエル版はショパンの祖国ポーランドのナショナルエディションとはいえど、実際には中村洋子先生もご指摘のとおり、細部にショパンの意図を無視したところがあるので注意が必要である(中村洋子先生の指摘はエチュードについてだが)。
ただしエキエル版の良いところはアクセントが画一的な記載ではなく、テヌートアクセントを区別しているところにある。
たとえば18番冒頭。ここは強くということではなく響かせるということ。
また、注釈が別冊になっているのもアナリーゼを行なう際には実用的である。
楽譜の体裁としてはしかしエキエルやベーレンライターよりパデレフスキやコルトーが個人的には好きである。エキエルなどは全体に疎なのである。たとえば19番はパデレフスキで3ページのところ、エキエルは4ページ。