コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ショパン前奏曲集作品28(84)アナリーゼの意義

この曲にしばらくのブランクを経て取り組み再開してからというもの、自分の練習のあり方がシフトした。

そもそも一度ひと通り弾いているので音高音価は頭に入っているのだが、自筆譜を見たり、様々な角度からの研究論文を読み、和声を分析し、曲想に想いを巡らせるといった一連の分析を行なった結果、一定の完成形のイメージはできている。

したがって、ピアノに向かってやることは減点法のダメ出し(弾けてない!)ではなく、思い描いたことが一つ一つ出来ていく加点法の練習となる。

しかも一つのことが出来たら音楽的にも納得のいくものなので、絶対の自信が持てる。誰の前でどこで弾くにしても恐怖感や不安は無い。

減点法の練習ははなはだ非効率である。試行錯誤が多く時間がかかる上、セルフエフィカシーも損なう。そしていつになったら満足のいく演奏になるのか目処がつかないからいつまでもどれだけ練習しても不安は払拭できない。

真のアナリーゼとは、どう演奏するか、アーティキュレーションデュナーミク、腕の動きや呼吸も含めて全て弾く前にイメージできているものだと思う。

実際に音にしてみる意味は、イメージしたことが実現できることの確認だけではもちろん無く、音のバランスや曇らせ方の程度などファインチューニングもあるし、アナリーゼの段階で気付かなかった新たな曲の魅力(作曲者の工夫)に気付くこともあり、これはどんどんレベルが上がっていくことを実感できる楽しい練習となる。

ショパンを弾いているのだが、バッハやドビュッシースクリャービンメシアンで学んだことが生きると感じる箇所もある。ショパンだけ弾いていては気づかなかったかもしれない。