コンサルタント=ピアニストはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

ショパン前奏曲集作品28(116)16番が難しい理由

ひととおりアナリーゼを終え、ここ2か月余り鍵盤上で24曲さらい、また一度レッスンも受けたが、やはり難しいのは16番である。

右手の十六分音符のパッセージは最初の2小節は旋律短音階の構成音のみなので問題ないが、曲が進むにつれ構成音外の音が混じり、かつパッセージの上行下行が入り乱れ方向転換を高速に行なわなければならないため、メカニカルに難しい。

ゆっくりさらうことはもちろん必要だが、しかしインテンポで弾くことを想定した運指なり手首や腕の使い方で練習しなければ意味がない。

左手は跳躍があるのみならず、ショパンが指示したアーティキュレーションの変化も厳格に守るべきなので、一見単調だが難度が増す。しかも、2つのバスラインすなわち弱拍の通奏低音と強拍のラインも出さなければならない。これが安定した演奏、音楽の流れを支える重要な構成要素だからである。

さらに、和声進行に伴う色彩の変化、小節内でのデュナーミクと4小節あるいは8小節の楽節のうねりや方向感を出さなければまことに単調な曲になってしまうので、インテンポでしかもcon fuocoの曲で緻密に設計した色彩の変化を出すことはきわめて難しい。

さらに今度のコンサートでは16~24番を抜粋して弾くことに決めたため、リハーサル無しで1曲目にこれを弾くとなると、明鏡止水の心境で激しい憤怒の情を表現しなければならない。

無謀である。

安全運転を心がけようとするとかえって堅くなるリスクがあるので、指から腕の自然な滑らかな動きを潜在意識に覚えこませること、また決して右手は大きな音で弾こうとしないことが重要。速いパッセージは音の密度が高いのでmfで弾いているつもりでもfになる。