大企業が事業環境の変化にタイムリーに適応するのはきわめて難しい。
産業ライフサイクルというものは形を変え寿命を変えいかなる事業も免れないものである。
細々と安定的にそこそこ儲かる事業を続けるというのも長期的には簡単ではない。
すなわち、企業がgoing concernたるためには、変化は不可避であり、そこに絶対確実は存在しないのである。
当たり前のこと、言うまでもないことを言っていると思われるだろうが、実際の企業行動を見ていると、この当たり前のことが忘れられていることが甚だ頻繁にあるのだ。
つまり、早い話が、一切合切が確実ではないという前提、心構えで意思決定し行動することがリスクマネジメントの核心なのである。
何もかもが確実ではないということは単に脅威ではなく、機会でもある。
絶対攻略不可能と思われた競合も隙を見せるかもしれない。
常識では売れないと思っていた商品が、実は市場セグメンテーションやリサーチの不備による錯覚故に売り方を変えたらニッチな層にヒットするかもしれない。
大企業だからといって従業員のマインドを変えられないということはない。
あえて言うならリスク文化の醸成。
これがリスクマネジメントの早い話その1である。