家人が複数部位にしびれを訴え、先日かかりつけの病院で神経内科を専門とする院長先生にみていただき、大学病院を紹介してもらい精密検査を受けることになった。
そこで、予習のため(決して自己診断をする為ではなく正しい患者の姿勢をとるべく)、しびれに関する文献を探しに国会図書館に行ってみた。
いくつか良い文献を見つけることができたが、とりわけよくまとまっているのが、医師向けの雑誌「レジデントノート」2013年9月号の特集「しびれ診療を根底から見直そう!」である。
67ページにわたり、埼玉医科大学の先生方を中心に専門医の方々が執筆されており、医師向けのためやや難しいものの、原因が極めて多岐にわたり診断が難しいが、きわめて一般的な症状であるしびれについて、特に診断の面で詳しく解説している。
この記事の中に、「しびれの原因疾患」という素晴らしい表がある。
しびれの原因として考えられる疾患を、頻度と共に整理している表である。
61の原因疾患を、脳障害(4)、脊髄障害(7)、末梢血管障害(24)、筋障害(3)、自律神経障害(2)、血管障害(3)、精神疾患(9)、その他 (9)に分類している。
列挙すると:
脳血管障害
Parkinson病
頸椎症
悪性腫瘍椎体転移
亜急性連合性脊髄変性症
脳腫瘍
脊髄空洞症
neuromyotonia optica (NMO)
脊髄炎
脊髄障害
脊髄損傷
糖尿病性末梢神経障害
アミロイドーシス
Guillain-Barré症候群
遺伝性運動感覚性ニューロパチー
ビタミンB1欠乏性ニューロパチー
中毒性ニューロパチー
傍腫瘍性神経症候群
POEMS症候群
Churg-Strauss症候群
Sjögren症候群
末梢神経障害
慢性炎症性脱髄性多発神経障害
後頭神経痛
外側背側神経圧迫
肘部管症候群
豊胸術後の肋間神経皮枝障害
甲状腺機能低下症
神経巣損傷
HIV感覚神経障害
甲状腺機能亢進症
筋緊張性頭痛
多発筋炎·皮膚筋炎
遺伝性筋疾患
筋障害
無汗症
閉塞性動脈硬化症
自律神経障害
血管障害
反射性交感性ジストロフィー
体感症(セネストパチー)
不安障害
身体表現性障害
妄想性障害
restless leg syndrome
強皮症
RS3PE+2
主婦湿疹
関節リウマチ
高血圧,低血圧
発熱
きわめて重篤、あるいは緊急性を要する疾患、難病も含まれている。
しっかり診断していただきたい。