先日、東大の吉田直紀先生の著書「ムラムラする宇宙」(キャッチーなタイトルだが吉田先生発案なのであろうか。違うことを期待して間違って買った読者はいないかと心配になる)の主題の一つは、タイトルどおり宇宙というのは一様(uniformly)に天体が分布しているのではなく、ムラムラつまり、密度が高かったり低かったりしており(天文学者、宇宙物理学者の方々は高いところをフィラメントとかシートとかウォールと呼び、低いところをボイド(void)と呼んでいる。
これはまさに宇宙の構造をうまく説明している。
しかし、である。
物理学というのは私のみるところやはり人間中心的世界観で組み立てられており(観測した事実を基にするから致し方ないとは言え)、もっと仮説ドリブンで研究が進められないものかと思ってしまう。
この宇宙は、我々を中心に階層構造考えると(天動説という意味ではない)、まず我々が住むこの地球があり、地球を含む九個の惑星(そう、冥王星を準惑星などと貶めることには反対である)と太陽から成る太陽系があり、太陽系がその一つの腕に位置するところの銀河系がある。銀河系は局所銀河群に属し、局所銀河群はおとめ座銀河団に属し、なぜかおとめ座銀河団はおとめ座超銀河団に属し、そして2014年にはおとめ座超銀河団はラニアケア超銀河団に属するということがハワイ州立大学の先生方の研究により示された。
しかも、ラニアケア超銀河団のさらに上部の構造が存在する可能性もあると専門家は言う。
何か変ではないだろうか。
ボトムアップ(積み上げ)思考なのである。
トップダウンで考えるべきではないのか。
こんど友人の天文学者、物理学者諸兄と議論してみようと思う。